どうも。WBC日本戦で旭日旗を掲げて応援した自称愛国ネトウヨが引っ込めるように注意されたのは当然です。愚かな戦争を仕掛けてボロボロに負けた軍隊の旗を掲げるのは、侍JAPANにとって縁起が悪過ぎますから(本当は中国や韓国への嫌がらせとして旭日旗を掲げたのでしょう。日本の恥ですね)。
それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『黒水仙』です。
50年間独房に収監されていた男ファン・ソクが釈放された。時を置かずして漢江に一人の水死体が上がる。被害者の名前はヤン・ダルス。捜査を始めた殺人課のオ刑事は、ダルスが朝鮮戦争中、脱走捕虜を捕らえる任務についていたことを知る。その後、ダルスと同じ任務についていた元警察署長も死体で発見された。一方、捜査の過程でソン・ジヘという女性の古い日記が見つかる。そこにはジヘが“黒水仙”という暗号名で捕虜の脱走を手助けしていたこと、その作戦が露見しダルスに狙われた彼女を、ソクが救い出していたことが綴られていた…(Yahoo!映画より引用)。2003年日本公開作品。監督はペ・チャンホで、出演はイ・ジョンジェ、アン・ソンギ、イ・ミヨン、チョン・ジュノ、イ・ギヨン、キム・スロ。
本作の主人公であるオ刑事役を演じたイ・ジョンジェは、近年のNetflixドラマ『イカゲーム』の主人公ソン・ギフン役を演じました。同作のファンは、本作で若き日の彼を観るのもよいでしょう。
オ刑事が捜査するシーンの演出には、『ダーティハリー』や『セブン』からの影響が見られます。嫌韓感情に任せてパクリと断罪するのは簡単なことです。しかし、ヒットした外国映画から貪欲に何かを学ぼうとする韓国の姿勢は、映画(『パラサイト 半地下の家族』)や音楽(BTS)における高い国際的評価の一因となっています。
本作が影響を受けているのはアメリカ映画だけではありません。「封印された過去を暴こうとする者を殺害する」というストーリーには、日本映画の『砂の器』や『人間の証明』からの影響が見られます。オ刑事が事件の真相を追って日本へ行くのは、それらの日本映画に敬意を払ったものでしょう。
本作が朝鮮戦争からの南北問題を題材にしたのは、製作当時(2001年)の金大中政権下での南北融和ムードが反映されたからでしょう。『シュリ』や『JSA』が作られた流れを踏襲したものです。同じ民族が憎み合い、殺し合った負の歴史を直視した上で、娯楽映画というエンターテインメントを生み出しています。
日本が自国の負の歴史を直視せず、その歴史に歪曲や改竄を加えるのを当然とするならば、文化面における韓国との差は広がっていくばかりではないかと危惧してしまうのです。
★★★☆☆(2023年2月17日(金)インターネット配信動画で鑑賞)
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