どうも。中間選挙のあるバイデン大統領が、たかが気球で大騒ぎして「中国に強気な俺」を演出する思惑は理解できます。害悪なのは、それに乗じて中国の軍事的脅威を煽り、防衛費増大を企てる日本の嫌中保守の馬鹿どもです。
それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『任侠秘録 人間狩り』です。
新宿を舞台にして、女性を誘拐、拉致して男性に斡旋する犯罪組織があった。そこにある日、客として現れた謎の男、飯島はまったく素性がわからない。堅気とは思えないその雰囲気。暴力団関係者?それとも警察?疑念を抱きながらも、組織は飯島を女性の監禁場所である熱海へと連れていくことに。熱海へ向かう車中で徐々に明らかになる飯島の素性。そして目的!折りしも、新宿では関東と関西の巨大暴力団どうしの話し合いが持たれていた(DVDジャケットの商品説明より引用)。2006年公開作品。監督は杉作J太郎で、出演は飯島洋一、伊藤雄一、ダースレイダー、増子直純、掟ポルシェ、宇多丸。
漫画家の杉作J太郎が初めて監督した映画です。東映ヤクザ映画へのオマージュ、非モテ男子の心境など彼が長年心の中で温めてきた世界観を映像化しています。車中で悪そうな男たちがダラダラと会話し続けるのは、クエンティン・タランティーノ作品へのオマージュでもあります。
本業の俳優が本作に出演していれば、それなりのVシネマ系作品に仕上がったでしょう。しかし、杉作監督のサブカル人脈で集められた多数の演技素人が友情出演しているので、そこまでの出来になっていません。演技は素人でも個性が強い面々なので、クセがすごい絵面ではありますけど。
杉作監督が自らカメラを回す撮影は、技術の拙さを否めません。情熱の強さに演出の技術が追いついていないという点で、角川春樹や水野晴郎(MIKE MIZNO)の監督作品に近いものを感じるのです。
★☆☆☆☆(2023年1月17日(火)インターネット配信動画で鑑賞)
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