【映画評】浮草の宿 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

どうも。田舎の前時代性や閉鎖性を批判してきた者が、Twitterでブロックした相手の悪口を陰でつぶやくという卑怯で陰湿な田舎者根性の持ち主だという話は実在します。

 

それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『浮草の宿』です。

 

港町横浜を舞台に密輸団の犯罪を暴く歌謡アクションドラマ。1957年公開作品。監督は鈴木清太郎(鈴木清順)で、出演は春日八郎、木室郁子、二谷英明、安部徹、宮崎準、小沢昭一、山岡久乃。

 

鈴木清順が鈴木清太郎だった頃の監督作品です。春日八郎のヒット曲を主題歌にした歌謡映画なので、春日を主役扱いしていますが、実質的な主役は二谷英明です。

 

春日はミステリアスな流しという役で出演します。持ち歌を数曲披露しますが、無国籍な港町ヨコハマのムードに合っていない曲ばかりです。

 

山岡久乃が密輸団に運命を翻弄される女を一人二役で演じています。当時の山岡はクールでセクシーなキャラクターであり、和製マレーネ・ディートリッヒと言えなくもありません。

 

鈴木監督は所々に奇妙な構図のカットを入れ、自分の爪痕を残そうとしたのでしょう。しかし、春日が劇中で突然歌い出すという歌謡映画ならではの奇妙さに勝ってはいないのです(鈴木監督の遺作は、登場人物が突然歌い出すミュージカル映画『オペレッタ狸御殿』です。特に本作との関係はなさそうですが)。

 

★★☆☆☆(2023年1月10日(火)インターネット配信動画で鑑賞)

 

 

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