どうも。「国際政治学者」三浦瑠麗の夫の会社に詐欺容疑で家宅捜索が入ったから、月刊Willや月刊Hanadaの「保守論壇」は薄情に手の平を返して彼女と絶縁するでしょう。森友事件の籠池夫妻と同じ仕打ちです。
それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『野良猫ロック マシン・アニマル』です。
横浜の港町で米軍脱走兵が持ってきた大量のLSDをめぐって不良グループが強奪戦を繰り広げる。1970年公開作品。監督は長谷部安春で、出演は梶芽衣子、藤竜也、郷鍈治、岡崎二朗、山野俊也、青山ミチ、范文雀。
日活の梶芽衣子&藤竜也出演シリーズ第4作です。その後、東映に活動の場を移して「女囚さそり」シリーズを始める前の梶は、まだ明るいキャラクターです(松島ナミ役の闇の凄みに比べればの話ですけど)。
梶が演じるマヤは不良少女グループのリーダーです。LSD争奪戦では、子分たちの軽率な行動によって揉め事が増えるという、部下に恵まれない上司の状態にあり、大変そうです。
シリーズの定番であるライブシーンもあります。ズー・ニー・ヴーの『ひとりの悲しみ』は後に歌詞をアレンジされ、尾崎紀世彦の『また逢う日まで』に生まれ変わりました。
本シリーズで3回目の監督を務めた長谷部安春は、ブライアン・デ・パルマ作品のような画面分割など新しい手法を試みています。その代わりに暴力描写が抑えめになっている印象を受けます。
脱走兵チャーリー(山野俊也)を発見した米軍のセキュリティー・ポリスは、逃走する彼を躊躇うことなく銃で撃ちます。それに対し、チャーリーと同行してきたノボ(藤)は、仲間を撃った不良グループのリーダー佐倉(郷鍈治)に銃を向けても撃つことはできません。この対比はアメリカが戦争をしている国であることを表し、ベトナム戦争という当時の世相が反映されています。
娯楽作であっても、同じ時代の空気を吸っていれば、政治と完全に無関係ではいられないのです。
★★★☆☆(2023年1月5日(木)インターネット配信動画で鑑賞)
にほんブログ村 映画評論・レビューに参加しています(よろしければクリックを!)