どうも。「5類」という言霊で現実を理想に近づけようとしたり、ノーマスクという精神論で乗り切ろうとしたりと、オカルト的でスピリチュアルなコロナ対策ですよね。これを支持するのは科学的思考ができないバカです。
それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『火線地帯』です。
軽い気持ちで仕事を引き受けた若者が暴力団同士の対立に巻き込まれる。1961年公開作品。監督は武部弘道で、出演は吉田輝雄、三原葉子、鳴門洋二、佐々木孝子、田崎潤、天知茂。
新東宝在籍時の石井輝男が脚本を担当したアクション物です。石井が監督を務めた「地帯(ライン)」シリーズで助監督だった武部弘道の監督デビュー作なので、脚本を引き受けたそうです。
本作は「地帯」シリーズ第5作です。シリーズ物の5作目で、それまでの監督と代わるのは『仁義なき戦い』シリーズと同じです(同シリーズは第4作まで深作欣二が、第5作を高田宏冶が監督しました)。
新東宝作品なので、三原葉子がヒロイン的ポジションにいます。当時28歳の三原は年不相応に熟れた色気を出しています。今時の芸能界にいないタイプです。
三本分の脚本を一本にまとめてテンポ良く展開させるのが得意な石井の脚本なので、本作は長くない上映時間にエンターテインメント要素が詰まっています。武部監督は石井流のテンポ良い演出に慣れてはいますが、登場人物のキャラクター演出が淡白です。天知茂のキャラクターは、現実離れしているほどニヒルでクールにした方がハマったような気がします。
それでも娯楽性重視の新東宝作品だから、気楽な鑑賞に堪え得る出来なのです。
★★☆☆☆(2023年1月2日(月)インターネット配信動画で鑑賞)
にほんブログ村 映画評論・レビューに参加しています(よろしければクリックを!)