【映画評】レイニーデイ・イン・ニューヨーク | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

どうも。中国でコロナ感染爆発しているならば、余剰ワクチンで支援して貸しを作っておけば、後々外交上有利になり得ると考える賢者はなく、中国の軍事的脅威を煽ってアメリカからポンコツ兵器を買うための防衛費増大をわめき散らかす愚者ばかりの日本なのです。

 

それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』です。

 

大学生のカップル、ギャツビーとアシュレーは、ニューヨークでロマンチックな週末を過ごそうとしていた。そのきっかけとなったのは、アシュレーが学校の課題で有名な映画監督ローランド・ポラードにマンハッタンでインタビューをするチャンスに恵まれたことだった。生粋のニューヨーカーのギャッツビーは、アリゾナ生まれのアシュレーにニューヨークの街を案内するためのさまざまなプランを詰め込む。しかし、その計画は狂い出し、思いもよらないさまざまな出来事が巻き起こってしまう(映画.comより引用)。2020年日本公開作品。監督はウディ・アレンで、出演はティモシー・シャラメ、エル・ファニング、セリーナ・ゴメス、ジュード・ロウ、ディエゴ・ルナ、リーヴ・シュレイバー。

 

ニューヨークを舞台にしたウディ・アレン監督作品ですが、アメリカでは無期限公開延期中です。女性の権利向上のためのMeToo運動により、アレンの過去の行いが問題視されたからです。アレンからスケベ心を取れば何も残らない人間であることは百も承知であり、本作以外のアレン作品はアメリカでテレビ放映されているのですから、よく意味が分からない公開延期です(配給会社の事なかれ主義でしょう)。

 

アレンの故郷ニューヨークが舞台だからなのか、アレンの自己言及的な作品になっています。アシュレー(エル・ファニング)が出会う映画監督ローランド(リーヴ・シュレイバー)、脚本家テッド(ジュード・ロウ)、俳優フランシスコ(ディエゴ・ルナ)はアレンの分身と言えます。しかし、簡単に分身だとバレないように他の人物の要素を混ぜています。フランシスコをリベラル発言が多いとか、演技力のないジェームズ・ディーンとか評したりするのは、『ギター弾きの恋』で組んだショーン・ペンのことを言っているかのようです(ペンは演技力ありますけど)。

 

この分身たちを若い女子大生のアシュレーと絡ませるのは、アレンの内なる願望でしょうか。残念ながら、分身のおじさんたちは若い娘にフラれてしまいますが。

 

ニューヨーク生まれで理屈屋のギャツビー(ティモシー・シャラメ)もアレンの分身です。ギャツビーがラストで選んだ道は、アレンの母体回帰願望のようなものが反映されています。ロンドンバルセロナパリローマを転々としてきたけれど、やはり落ち着くのは生まれ故郷ニューヨークなのでしょう。

 

★★★☆☆(2022年12月16日(金)インターネット配信動画で鑑賞)

 

 

 

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