どうも。デモにキレた中国政府がゼロコロナ政策を止めたら、急速に感染爆発しているようです。これを棄民と言います。まあ、日本政府は何かと棄民し続けていますけどね。
それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『ヒッチコックのファミリー・プロット』です。
インチキ霊媒師のブランチは、富豪の老婦人にとりいって、行方不明の息子を探し出す仕事を得た。ブランチの調査によって、宝石店を営むアーサーが、その息子であることが判明する。だが、アーサーの裏の顔は、営利誘拐を繰り返す犯罪者であった。自分の身辺を探るブランチに、アーサーは次第に危機感を覚えていく……(Yahoo!映画より引用)。1976年日本公開作品。監督はアルフレッド・ヒッチコックで、出演はカレン・ブラック、ブルース・ダーン、バーバラ・ハリス、ウィリアム・ディベイン、エド・ローター、キャスリーン・ネスビット、キャサリン・ヘルモンド。
アルフレッド・ヒッチコックの監督50年目の第53作であり、遺作になったサスペンス・コメディです。
ブランチ(バーバラ・ハリス)の降霊術はインチキで、情夫のラムレイ(ブルース・ダーン)が調査して入手した情報を基にして演技をしています。オカルトに懐疑的な態度を取らなければ、サスペンスやミステリーは撮れません(と言いながら、本作のラストでは……)。
サスペンス演出に目新しいものはなく、ヒッチコック全盛期のキレを期待してはいけません。フラン(カレン・ブラック)にブロンド美女の変装をさせるのは、セルフパロディのようで痛々しくもあります。
何となくですが、ヒッチコックが映画作りの主導権を握っていないような気がします。『八つ墓村』の制作発表会見で、監督の市川崑が主演の豊川悦司のことをよく知らないと発言したのを思い出します。市川はキャスティングを重視するにもかかわらず、主演俳優のことを把握していないのは、同作の監督が雇われ仕事であることを露呈しています(市川のジョークだった可能性もありますが)。本作のヒッチコック監督も主導権のない雇われ仕事だから、モチベーションが低かったのではないかと疑ってしまいます。
そうは言っても、サスペンス映画の巨匠だからと過度な期待をせず、並のサスペンス映画として観れば、鑑賞に堪え得る出来なのです。
★★★☆☆(2022年12月12日(月)インターネット配信動画で鑑賞)
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