どうも。首長や議員の選挙は彼らの就職活動です。就活の面接で「御社の社風に感銘を受け…」とか心にもないことを言ったりするでしょう。それと選挙公約やマニフェストは同じです。当てにしてはいけないのです。
それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『パリの恋人』です。
ニューヨークのファッション誌「クオリティ」の編集長から新人モデルを探すよう命じられたカメラマンのディックは、古本屋で働く女性ジョーをスカウトする。ジョーは崇拝する哲学者フロストル教授が暮らすパリへ行けると聞き、モデルを引き受けることにするが……(映画.comより引用)。1957年日本公開作品。監督はスタンリー・ドーネンで、出演はオードリー・ヘップバーン、フレッド・アステア、ケイ・トンプソン、ミシェル・オークレール、ロバート・フレミング。
何やら岸恵子や中山美穂を思い出させる邦題のミュージカル・コメディ映画です。オードリー・ヘップバーンにとって初のミュージカル映画でありながら、初めてとは思えないほど踊りまくっています。歌と違い、踊りは吹替えが難しいので、オードリーは真面目に練習をしてきたのでしょう。
『雨に唄えば』のスタンリー・ドーネン監督にとってミュージカル演出は慣れたものです。それにフレッド・アステアが振付けを担当しながら、自らも踊りまくります。本作は良質のミュージカル映画です。
それだけでなく、本作は単純に歌って踊るだけの空っぽな映画ではありません。ジョー(ヘップバーン)、ディック(アステア)、編集長マギー(ケイ・トンプソン)はパリに行くと、お上りさんになって浮かれてしまいます。これは当時のアメリカがフランスに対して抱く潜在的な文化的コンプレックスを表しています。今のアメリカがそれを克服したのかどうかは分かりませんけど。
本作はファッション業界の軽薄にもインテリの欺瞞にも皮肉な態度を取りながら、本当の美しさや愛を描こうとしています。チャラそうなのに、意外と批判精神がある映画なのです。
★★★☆☆(2022年11月23日(水)DVD鑑賞)
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