どうも。創価学会や幸福の科学の酷さを暴くのはいいけれども、それによって旧統一教会(家庭連合)の酷さが薄まる結果になってはよくないです。
それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『カルメン故郷に帰る』です。
東京でストリッパーをしているハイカラな娘が友達を連れて里帰りしたことから静かな村が大騒ぎとなるさまをコミカルに描く(Yahoo!映画より引用)。1951年公開作品。監督は木下恵介で、出演は高峰秀子、佐野周二、井川邦子、佐田啓二、小林トシ子、笠智衆、望月美恵子、三井弘次、坂本武、磯野秋雄、山路義人、見明凡太郎。
松竹創立30周年記念作品にして、日本初の総天然色(カラー)映画です。撮影や現像に失敗した場合に備えて、同時に白黒(モノクロ)映画バージョンも撮影されていたそうです。それほどの一大プロジェクトだったのです。
ロケ地である北軽井沢の広大な自然と、リリイ(高峰秀子)とマヤ(小林トシ子)の派手な衣装のコントラストが印象的です。これがカラー映画にした利点です。
本作は木下恵介監督と高峰の初コンビ作でもあります。私は高峰の出演作をそれなりに観てきましたが、本作ほど陽気なキャラクターの高峰は初めてかもしれません。
リリイとマヤの職業はストリッパーです。当時の田舎ではインパクトがある職業だったのでしょう。現代ではストリッパーという職業が希少なので、リメイクが難しそうです。ソフトにやれば「地下アイドル故郷に帰る」、ハードにやれば「ニューハーフ故郷に帰る」というのは如何でしょうか。
本作では「芸術」という言葉が頻繁に出てきます。芸術と言っても、リリイのストリップは大衆芸術であり、盲目の田口(佐野周二)が弾くピアノは純粋芸術です。本作の結末として、低俗な大衆芸術が高尚な純粋芸術の窮地を救うことになります。そこに映画という大衆芸術の世界に属しながら、より芸術の高みを追求した木下監督の思いが反映されているのです(本作の脚本も木下監督です)。
★★★☆☆(2022年10月27日(木)インターネット配信動画で鑑賞)
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