どうも。ローカル線が廃線したり、老舗百貨店が廃業したりするのを惜しむならば、残すために乗車したか、残すために買い物したかを自省してからにしましょう。
それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『トラック野郎 突撃一番星』です。
UFO熱に浮かれた星桃次郎がイルカ調教師の月田えり子に一目惚れする。1978年公開作品。監督は鈴木則文で、出演は菅原文太、せんだみつお、原田美枝子、樹木希林、樹れい子、亜湖、辰巳柳太郎、由利徹、小松方正、南利明、金子信雄、川谷拓三、中村玉緒、愛川欽也。
菅原文太主演のコメディ映画シリーズ第7作です。菅原と愛川欽也のコンビに、せんだみつおが加わります。せんだはアンタッチャブルの山崎弘也に似ています。
桃次郎(菅原)がUFOにハマっているのは、当時ヒットした『未知との遭遇』や『スター・ウォーズ』に便乗した設定です。それは冒頭だけの設定で、直ぐにバカバカしい「平常運転」に戻ります。
イルカ調教師の月田えり子役の原田美枝子と、海洋学者の石部スミ役の樹木希林は、近年の彼女たちしか知らない世代にとっては驚きです。原田がムッチムチの水着姿を見せます(因みに原田の夫が石橋凌、樹木の夫が内田裕也であり、「夫がロック」という共通点があります)。
本シリーズは、菅原が『仁義なき戦い』シリーズで定着したシリアスなイメージを払拭するために始めたそうです。それならば、菅原が三枚目キャラクターの桃次郎を、川谷拓三が二枚目キャラクターの矢野駿介を演じるキャスティングや、桃次郎が金子信雄の演じる薄情な医者を殴るシーンには、正に『仁義なき戦い』シリーズをひっくり返す意図があるのでしょう。
本作では、菅原、愛川、せんだ各々に人情味ある良いストーリーが用意されています。言わば映画3本を1本にまとめたようなものです。本作の人情喜劇としての充実度は、本作が強く意識したとされるロードムービー『男はつらいよ』シリーズに劣っていないのです。
★★★★☆(2022年10月21日(金)インターネット配信動画で鑑賞)
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