どうも。今年のM-1グランプリでラストイヤーの金属バットが準々決勝で敗退したのは、ワイルドカードで復活の可能性があるとはいえ、残念でなりません。
それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『カルーセル麻紀 夜は私を濡らす』です。
やくざなひもと手を切り、会社員を恋人に持った彫り物師の娘だが、その幸せもつかの間、その男もひものようになってしまった。そんなある日、ふってわいた歌手への誘惑は…(日活ロマンポルノ公式サイトより引用)。1974年公開の日活ロマンポルノ作品。監督は西村昭五郎で、出演はカルーセル麻紀、石津康彦、中平哲仟、小泉郁之助、宇南山宏、中島葵、叶今日子。
カルーセル麻紀主演の日活ロマンポルノです。音楽が奥沢散策(=山本直純)で、主題歌の作詞がなかにし礼という顔ぶれなので、本作は安っぽいイロモノではありません。映画として真面目に取り組まれています。
本作においてカルーセルは女優として扱われています。一部始終、生まれつき女性の役を演じています。これは『黒蜥蜴』における美輪明宏と同じ扱いです。
カルーセルの左太腿にある薔薇の刺青は本物です。タトゥーシールなんかではありません。ロマンポルノで本物の刺青を見せたのはカルーセルと『嗚呼!おんなたち 猥歌』の安岡力也だけでしょう。
因みにカルーセルの出生名は平原徹男でした。「男を徹する」と書いて徹男です。刺青を隠すことなく見せるカルーセルも力也も男らしいです(しかしカルーセルは戸籍変更して女性になり、現在の本名は平原麻紀です)。
カルーセルが演じるのはダメ男を引き寄せてしまう悲しい運命の女です。そのダメ男は共感できないほどダメです。だから、ダメ男のせいで生じる誰も得しないラストは、とても後味が悪いのです。
★★☆☆☆(2022年10月17日(月)インターネット配信動画で鑑賞)
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