どうも。国際政治を「(中国に)ナメられてる!」とか「(日本は)ビビッてる!」とか中学生の喧嘩みたいな感覚で捉える、能力の低いおっさんが少なからずいて、そのおっさんたちの声を多数の民意だと受け止める、能力の低い政治家も少なからずいるので、日本外交は低レベルなのです。
それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『カメラを止めるな!』です。
とある自主映画の撮影隊が山奥の廃墟でゾンビ映画の撮影をしていたが、そこへ本物のゾンビが襲来。ディレクターの日暮は大喜びで撮影を続けるが、撮影隊の面々は次々とゾンビ化していき……(映画.comより引用)。2018年劇場公開作品。監督は上田慎一郎で、出演は濱津隆之、真魚、しゅはまはるみ、長屋和彰、細井学、市原洋、山崎俊太郎、大澤真一郎、竹原芳子、吉田美紀、合田純奈、浅森咲希奈、秋山ゆずき。
インディーズ映画でありながら口コミで評判が広がり、全国で拡大公開されて大ヒットした、ジャパニーズ・ドリームを実現したかのような作品です。
ネタバレしない程度に言えば、巧妙な二部構成の映画です。前半の37分間ワンシーンワンカット長回しゾンビ映画で生じた違和感の正体が、後半で明らかになっていきます。
「映画を題材にした映画」は面白い作品が多いです。洋画では『雨に唄えば』、邦画では『蒲田行進曲』がそうです。映画の世界のことを知っている映画人が、映画への愛情をもって撮るのですから、観る者の心に響くのです。
因みに「映画を題材にした映画」である『アーティスト』を監督したミシェル・アザナヴィシウスが、本作のリメイク版『キャメラを止めるな!』を監督しました。映画という共通言語があれば、国境は越えられるのでしょうか。
ただし過去の「映画を題材にした映画」が撮影所システムの下で贅沢な映画作りを描いていたのに対し、本作は日本のインディーズ映画界の貧しい現状を描いており、そこが従来にない独自性となったのです(というか、制作当時の上田慎一郎監督はインディーズ映画界しか知らないから、それしか描きようがなかったのでしょう)。
★★★★☆(2022年10月10日(月)インターネット配信動画で鑑賞)
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