【映画評】地球の静止する日 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

どうも。他国で大災害が発生した時、それを我が身に置き換えて防災体制を整備するのが普通の国であり、被災した他国民を「ざまぁw」とばかりに嘲笑するレイシズム(民族差別)を発露する愚民が多ければ多いほどクズの国に堕ちます。

 

それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『地球の静止する日』です。

 

突如、ワシントンに飛来した円盤。降り立った異星人クラトゥは地球人の未来を懸念し、人類に核兵器の放棄を要求する。そして要求が受け入れられない場合、地球上の全エネルギーを停止させると宣言した……(Yahoo!映画より引用)。1952年日本公開作品。監督はロバート・ワイズで、出演はマイケル・レニー、パトリシア・ニール、ヒュー・マーロウ、サム・ジャッフェ、ビリー・グレイ。

 

SF映画の古典的作品です。2006年にスコット・デリクソン監督、キアヌ・リーヴス主演の『地球が静止する日』としてリメイクされました。

 

本作の監督であるロバート・ワイズは、『ウエスト・サイド物語』と『サウンド・オブ・ミュージック』も監督しました。SF映画もミュージカル映画も撮れるのは器用な職人監督です。

 

半世紀以上も前の作品なので、特撮はショボく感じられます。しかし人間ドラマの演出が良く出来ているから、そのショボさは大した問題ではありません。日本映画において『ゴジラ』を今観ても面白いのと同じことです。

 

異星人であるクラトゥ(マイケル・レニー)を敵視する地球人の姿は、その排他性や利己性を露わにしています。異星人を他民族や異教徒に置き換えれば、歴史上の差別や迫害の戯画化だと分かります。

 

ストーリーの元ネタになっているのは、新約聖書におけるイエス・キリストの物語です。クラトゥという名はキリストの英語読みであるクライストを基にしており、一度死んでから復活する点が同じです。クラトゥは地球人にとっての救世主という役割です。

 

本作が公開された時代背景には東西冷戦があり、世界はそれを解決するための救世主を求めていたのでしょう。本作公開から半世紀以上も経った現在でも、問題だらけの世界は救世主を求めているのです(が、そうして選んだ救世主はインチキな偽者であるのが残念です)。

 

★★★★☆(2022年9月21日(水)インターネット配信動画で鑑賞)

 

 

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