原由子『婦人の肖像(Portrait of a Lady)』を聴いて③ | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

原由子の新作アルバム『婦人の肖像(Portrait of a Lady)』を聴いた感想を書きます。

 

サザンオールスターズのメンバーを44年も務めてきた原は、年齢的にベテランの域に達しています。それ故、人生の年輪を感じさせる歌詞があります。

 

オモタイキズナは過去に別れた男との再会を歌っています。曲中に桑田佳祐のラップがあり、「矢も楯も居られなくて 訳もなくお前のアパートに向けて クルマを飛ばしたバブルな夜明け」という歌詞があります。デビューして間もない頃のサザンでは、茅ケ崎に帰る桑田が横浜に帰る原を車に同乗させて送ったというエピソードを思い出しました。二人きりの車内で恋愛感情が芽生えたとすれば、クルマは愛の象徴なのかもしれません。

 

鎌倉 On The Beachはサザンの「『鎌倉物語』の頃、恋をしていた世代にとっての続編のような気持ち」(ライナーノーツのあとがきより)の曲だそうです。同じ鎌倉が舞台の曲でも、『鎌倉 On The Beach』の文体の方が大人っぽく、作品の主体が年を重ねたことを表現しているかのようです。

 

アルバムのトリを飾る初恋のメロディの歌詞は、初恋の思い出を回想する内容です。「歳を取るのも悪くない」や「お互いあの日に戻れない」という歌詞に成熟を感じます(作詞は桑田とサザンのライブでコーラスを務めるTIGERです)。

 

これから原が作る楽曲は更に円熟味を増してくるでしょう。原と同じく、夫と音楽活動を続けている先達に松任谷由実や竹内まりやがいます。しかし、桑田のサポートという裏方に徹してきた原は、彼女たちとは異なる円熟の道を歩むのでしょう。

 

 

 

 

 

 

ブログランキング・にほんブログ村に参加しています(よろしければクリックを!)