【映画評】ムーンライト | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

どうも。女性自衛官に性的加害をして退官に追い込みながら口裏合わせして黙っていた、弱い者いじめしかできない卑怯者では、強い者に立ち向かう戦争になっても勝てないし、そんなクソ野郎に国民を守ってもらいたくないです。

 

それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『ムーンライト』です。

 

マイアミの貧困地域で暮らす内気な少年シャロンは、学校では「リトル(チビ)」と呼ばれていじめられ、家庭では麻薬常習者の母親ポーラから育児放棄されていた。そんなシャロンに優しく接してくれるのは、近所に住む麻薬ディーラーのフアン夫妻と、唯一の男友達であるケヴィンだけ。やがてシャロンは、ケヴィンに対して友情以上の思いを抱くようになるが、自分が暮らすコミュニティではこの感情が決して受け入れてもらえないことに気づき、誰にも思いを打ち明けられずにいた。そんな中、ある事件が起こり……(映画.comより引用)。2017年日本公開作品。監督はバリー・ジェンキンスで、出演はトレヴァンテ・ローズ、アンドレ・ホランド、ジャネール・モネイ、アシュトン・サンダース、ジャハール・ジェローム、アレックス・ヒバート、マハーシャラ・アリ、ナオミ・ハリス。

 

主要キャストが黒人俳優だけの映画として初の米国アカデミー作品賞を受賞した作品です。あの『ラ・ラ・ランド』を抑えての受賞です。

 

製作総指揮にブラッド・ピットがいます。ピットは黒人奴隷の過酷な生活を描いた『それでも夜は明ける』もプロデュースしました。そのモチベーションが純粋な正義感か、あざとい賞狙いかは分かりませんが、結果的に良い映画を世に送り出しています。

 

黒人しか登場しない黒人社会内部の話なので、白人による黒人差別は描かれていません。しかし主人公のシャロン(アレックス・ヒバート→アシュトン・サンダース→トレヴァンテ・ローズ)が成り上がるためには、違法薬物の売人になるしかないという生活環境は黒人差別が根強いことを暗示しています。

 

シャロンはゲイ(LGBTのG)なので女性を恋愛対象にしません。それは育児放棄した母親のポーラ(ナオミ・ハリス)への嫌悪によるものです。そしてケヴィン(ジャハール・ジェローム→アンドレ・ホランド)へのプラトニックな愛は、孤独なシャロンにとって唯一の救いです。

 

シャロンの成長をリアルに描く繊細な作風の映画です。しかし両親から虐待を受けた孤独な黒人少女が希望を見出すまでを描いた『プレシャス』のように、どぎつい衝撃を求める者には物足りないのです。

 

★★★☆☆(2022年9月10日(土)インターネット配信動画で鑑賞)

 

 

 

にほんブログ村 映画評論・レビューに参加しています(よろしければクリックを!)