【映画評】反撥 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

どうも。「GO TOトラベル」を「全国旅行支援」に改名すれば何の問題もないと思って乗っかる日本人だから、「世界基督教統一神霊協会(統一教会)」を「世界平和統一家庭連合(家庭連合)」と改名すれば簡単に騙されてカモにされるのです。

 

それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『反撥』です。

 

イギリスで働くポーランド人の姉妹キャロルとヘレン。姉のヘレンが活動的な性格なのに対し、妹のキャロルは内気な女性だった。姉とその恋人との情事の音を毎晩のように聞かされていたキャロルは、次第に男性恐怖症に陥っていく。そしてその一方で、男との官能を妄想するようになる。やがてその幻想は、彼女に殺人を犯させるまでになっていく……(Yahoo!映画より引用)。1965年日本公開作品。監督はロマン・ポランスキーで、出演はカトリーヌ・ドヌーヴ、イヴォンヌ・フルノー、イアン・ヘンドリー、ジョン・フレイザー、パトリック・ワイマーク。

 

ロマン・ポランスキー監督の初期作品です。街頭撮影や生々しいカメラワークは、フランスのヌーヴェル・ヴァーグに影響されたのでしょう。

 

シェルブールの雨傘』のカトリーヌ・ドヌーヴが壊れゆく女キャロル役を演じています。その鬼気迫る迫真の演技は、鑑賞後も恐怖感を残します。

 

キャロルの被害妄想的な心理描写を中心とするのは、ポランスキー監督のアメリカ進出作『ローズマリーの赤ちゃん』に通じます。またキャロルが言い寄る男たちを殺して死体を家に隠す展開は、石井隆監督の『フリーズ・ミー』の元ネタのような気がします。

 

ラストシーンは、キャロルが精神を病んだ原因を幼少期に受けた性的虐待による心的外傷であると匂わせます。幼少期の過酷な体験が後の人生に大きな影響を及ぼすという見解は、ナチス占領下のドイツやフランスで少年時代を過ごしたユダヤ人のポランスキー監督だから説得力を増すのです。

 

★★★☆☆(2022年9月6日(火)インターネット配信動画で鑑賞)

 

 

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