どうも。旧統一教会(家庭連合)の会見で「反共」や「左翼」というワードが飛び出しました。月刊Willや月刊Hanadaを愛読する自称愛国保守は奴らのお仲間ですかね?
それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『赤西蠣太』です。
世継問題を巡る陰謀を探るため、伊達藩の江戸屋敷に一人の密偵が送り込まれた。見た目の冴えない下級武士、赤西蠣太だ。陰謀を示す証拠の書類を手に入れた蠣太は、それを持って江戸屋敷を出て国元へ帰ろうとする。しかしただ出て行ったのでは不審に思われるに違いない。彼は江戸屋敷で一番の美女といわれる腰元の小波に付け文(ラブレター)を送って袖にされれば、面目がつぶれて屋敷を逃げ出すことができると画策するのだったが…(allcinemaより引用)。1936年公開作品。監督は伊丹万作で、出演は片岡千恵蔵、杉山昌三九、上山草人、毛利峯子、梅村蓉子、瀬川路三郎、比良多恵子、志村喬、原健作、葛木香一。
志賀直哉の短編小説を伊丹万作(伊丹十三の父)が監督して映画化した作品です。オリジナルは上映時間85分ですが、現存するバージョンは77分です。失われた部分が少ないので、ストーリーに大きな影響はありません。
登場人物の名前に海産物が含まれています。赤西蠣太、青鮫鱒次郎などです。これは長谷川町子の漫画『サザエさん』の元ネタなのかもしれません。
片岡千恵蔵が醜男の赤西蠣太と凛々しい原田甲斐の一人二役を演じています。これによって千恵蔵の出番が増えます。千恵蔵がプロデューサーと主演俳優を兼任しているから出来ることであり、『M:I-2』でトム・クルーズが自身に変装した登場人物を入れることによってスクリーンに映る時間を増やしたのと同じ発想です。
本作は『M:I-2』と同じスパイ物にジャンル分けされます。というより時代劇の中のスパイ物です。時代劇はアクションもコメディもホラーもポルノも包含できる広範なジャンルなのです。
スパイ時代劇でありながら、本作は全体的にほのぼのとしたムードが漂うピースフルな時代劇です。蠣太の恋の行方は非モテ男子に希望を与えてくれます。そのような時代劇が作られていたにもかかわらず、日本は殺伐とした戦争への道を歩んだのです。
★★☆☆☆(2022年8月31日(水)インターネット配信動画で鑑賞)
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