【映画評】くたばれ愚連隊 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

どうも。KDDI通信障害発生時、auショップの窓口で従業員(たぶん若い女性)に怒声を浴びせたりスマホを投げつけたりした客(たぶん中高年男性)がいたそうです。大声でわめいたり物を投げつけたりしてゴネれば問題が解決すると思っている幼稚なクソガキみたいな大人(大概おっさん)が多いから、日本は衰退していきます。

 

それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『くたばれ愚連隊』です。

 

淡路島の旧家の跡取り息子だと発覚した青年が旧弊を改め、新しい風を吹き込むために悪徳観光業者と戦う。1960年公開作品。監督は鈴木清順で、出演は和田浩治、清水まゆみ、高品格、近藤宏、東恵美子、小沢栄太郎、内海突破、細川ちか子。

 

鈴木清順が日活在籍時に監督した青春娯楽作品です。『くたばれ愚連隊』というタイトルは「愚連隊がくたばれ」という意味ではなく、「くたばれが口癖の愚連隊」という意味です(しかし劇中で「くたばれ」という台詞は少ないです)。

 

看板屋で仲間と働く若者である定夫(和田浩治)が、実は裕福な旧家を継ぐ隠し子であるというのは現実に起こり難い話です。現代のシンデレラストーリーにしても程があります。

 

また古風な松平家と定夫が作ろうとするリゾートに同時代とは思えないギャップがあります。そのギャップの大きさで笑いを取ろうとしているのが明らかです。

 

しかし、これらの滅茶苦茶な設定やストーリーは、鈴木監督の変則的で奇想天外な演出と違和感が少なく、相性の良さを見せます。

 

ところで本作の原作者にクレジットされているのは、大物政治家の原健三郎です。しかし、実際のところ原は作品にノータッチだったと後に暴露されています。自分の経歴に箔をつけるため、名義を利用したのです。原作者が正義漢の主人公ではなく、悪徳業者である敵役にキャラクターが近いというのは面白いですね。

 

★★★☆☆(2022年6月27日(月)インターネット配信動画で鑑賞)

 

 

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