どうも。世界がウクライナから関心を失い、ロシアの占領が常態化したら、ロシアの勝利です。皆がウクライナ関連のニュースに飽きることは、プーチンのクソ野郎に屈服することになるのです。諦めたら、そこで終わりです。
それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『ザ・グラッジ 死霊の棲む屋敷』です。
森の中に停まっていた車の中で変死体が発見され、報せを受けた刑事のマルドゥーンとグッドマンが現場に駆け付ける。道路が閉鎖されていたこともあり、死体は何カ月も放置されて腐敗していたが、残された所持品から死体の生前の住所が「レイバーン通り44番地」だったと判明。そこはグッドマン刑事が2年前に担当し、強烈な印象を残している「ランダース事件」の現場だった。過去の事件と今回の死体の関連性を疑ったマルドゥーンは、単身でランダース事件の舞台となった屋敷を訪れるが……(映画.comより引用)。2020年日本公開作品。監督はニコラス・ペッシェで、出演はアンドレア・ライズボロー、デミアン・ビチル、ジョン・チョウ、ベティ・ギルピン、リン・シェイ、ジャッキー・ウィーヴァー。
清水崇監督の『呪怨』シリーズをサム・ライミのプロデュースによってハリウッド映画化したホラー映画です。ハリウッド版が既に3作あり、本作が仕切り直しの内容になっています。
冒頭、少しだけ日本の「あの屋敷」で伽椰子と俊雄の白い親子が登場します。しかし、舞台がアメリカに移ると白い親子は登場せず、新しい呪怨が発生します。それ故に仕切り直しなのです。
各エピソードの時系列の前後を入れ換えたり、唐突に死霊が襲いかかるショッキング演出があったりするのは日本版『呪怨』を踏襲しています。じわじわと心理的に怖がらすのがJホラーの流儀であった時代に、即物的なショッキング演出を取り入れたのが『呪怨』の画期性です。
それでいて死霊が腐乱死体の状態で襲ってくるグロ描写は、ライミの趣味に沿ったものです。デビュー作『死霊のはらわた』からブレることなく、一貫したライミのグロ趣味です。
本作で呪われる被害者は中高年ばかりです。被害者は若い(しかもセクシーな)娘というのがホラー映画で定番化しており、それは近年のジェンダー平等の観点から問題ありと配慮したのでしょうか。思えば、日本版『呪怨』もオリジナルビデオ版から全国劇場公開版にグレードアップするに当たって、若い女優をキャスティングしていました。そうした「餌」で客を釣ろうとするのはゲスと言われたら、そのとおりです。
酷い目に遭うのは中高年ばかりという華の無さは作品全体に陰鬱なムードを漂わせ、ホラー映画としては良い方向に作用しています。ラストに続編製作の可能性を残しており、この路線を継続してホラー映画界に新しい流れを作るのかもしれません。
★★★☆☆(2022年6月21日(火)インターネット配信動画で鑑賞)
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