【映画評】母を恋はずや | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

どうも。政見放送をネタ披露の場にする候補者を面白がる分には良くても、そいつに大事な一票を投じてはいけません。

 

それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『母を恋はずや』です。

 

父の急死によって没落した家族で、異母兄弟の秘密が明らかになる。1934年公開作品。監督は小津安二郎で、出演は岩田祐吉、吉川満子、大日方伝、三井秀男、奈良真養、飯田蝶子。

 

小津安二郎監督の白黒サイレント映画です。本来の上映時間は93分ですが、現存するのは73分です。しかもフィルム全9巻中、第1巻と第9巻を紛失しています。

 

紛失している部分は字幕によって説明されています。しかし、それで十分に補えることはありません。結果として話の掴みと締めが弱いことになります。

 

それでも鑑賞に堪え得る作品になっています。注目すべきは異母兄弟であることを知った長男(大日方伝)の刺々しい態度です。戦後の小津作品における達観した「枯れ」に到達する前の、若き小津監督の演出を見ることができるからです。

 

★★☆☆☆(2022年5月27日(金)インターネット配信動画で鑑賞)

 

 

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