どうも。侮辱罪が厳罰化されると、ストレートな侮辱表現が減り、ひねりの利いた侮辱表現が増えるような気がします。街宣右翼が使う褒め殺しみたいなものです。
それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『アリータ:バトル・エンジェル』です。
数百年後の未来。スクラップの山の中から奇跡的に脳だけが無傷の状態で発見されたサイボーグの少女アリータは、サイバー医師のイド博士によって新たな体を与えられ、目を覚ます。しかし彼女は、自分の過去や今いる世界についてなど、一切の記憶が失われていた。やがてアリータは、自分が300年前に失われたはずの最終兵器として作られたことを知り、そんな兵器としての彼女を破壊するため、次々と凶悪な殺人サイボーグが送り込まれてくる。アリータは、あどけない少女の外見とは裏腹の驚異的な格闘スキルをもって、迫り来る敵たちを圧倒していくが……(映画.comより引用)。2019年日本公開作品。監督はロバート・ロドリゲスで、出演はローサ・サラザール、クリストフ・ヴァルツ、ジェニファー・コネリー、マハーシャラ・アリ、エド・スクライン、ジャッキー・アール・ヘイリー、キーアン・ジョンソン。
木城ゆきとの漫画『銃夢』をハリウッドで実写映画化した作品です。原作は未読ですが、イド博士(クリストフ・ヴァルツ)とアリータ(ローサ・サラザール)の関係は『鉄腕アトム』の天馬博士とアトム、『ブラックジャック』のブラックジャックとピノコの関係と重なります。手塚治虫は偉大ですね。
ジェームズ・キャメロンがプロデューサーを務め、『アバター』と同じく、演者の動作をモーションキャプチャーでフルCGキャラクターに同化させる技術を用いています。同作のヒロイン役を演じたゾーイ・サルダナも、本作のサラザールも中南米系であるのは偶然でしょうか。
『シン・シティ』などでCG慣れしているロバート・ロドリゲスは本作の監督に適役です。ロドリゲス監督は『マチェーテ』で見られるように暴力描写が過激なので、本作のサイボーグたちの破壊描写も過激です。首や手足がバラバラになりますから。それでも本作がR指定にならないのは、破壊されているのが人間ではなく、機械だからという理屈でしょう。
実写化が困難と言われた原作漫画やアニメのイメージをCGの力で作り上げています。しかし、それが凄いことだと分かっていても、作品のCG依存度が上がるほど「それならアニメで描けば?」という思いが湧いてきて、醒めた目で観てしまう私がいるのです。
★★★☆☆(2022年4月25日(月)DVD鑑賞)
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