【映画評】素ッ裸の年令 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

どうも。自民党の憲法9条改正案が条文に自衛隊を明記することだけだと知っていますか。条文に自衛隊を明記すれば外国からの侵攻を防げると考えるのは、「9条を御題目のように唱えれば、外国は攻めてこない」という架空の平和ボケお花畑理論と変わりませんよね。

 

それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『素ッ裸の年令』です。

 

不良少年少女たちのユートピアが終焉に向かうまでを描く。1959年公開作品。監督は鈴木清順で、出演は赤木圭一郎、堀恭子、藤巻三郎、初井言栄、左卜全。

 

鈴木清順監督の初期作品にして、赤木圭一郎の初主演作品です。将来有望な若手スター俳優であった赤木は、本作公開から2年後、ゴーカート事故で急死してしまいました。

 

若手と子役が主な出演者で、上映時間(54分)が短いことから、本作が会社に期待されていなかったことは明らかです。

 

しかし、その期待の無さが作品に対する縛りを緩め、鈴木監督の自由な演出を可能にしています。唐突なジャンプカットや奇妙なアングルからの撮影は、後の清順美学の萌芽です。

 

また不良少年少女たちが大人に反抗して自由に生きようとする姿には、晩年に大杉栄の映画を撮ろうと構想していた鈴木監督のアナーキズムが表れているのです。

 

★★☆☆☆(2022年4月19日(火)インターネット配信動画で鑑賞)

 

 

 

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