【映画評】東京の女 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

どうも。困っている人を助けるのは良いとしても、「助けてやったのだから感謝しろ!」と感謝の意思表示を強要するのは野暮でカッコ悪くてクソダサい人間のやることです(「ウクライナ 感謝動画」で検索)。

 

それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『東京の女』です。

 

良一の姉ちか子は弟の学費を稼ぐため、内緒で酒場の水商売をしていたが、良一に知られてしまう。1933年公開作品。監督は小津安二郎で、出演は岡田嘉子、江川宇礼雄、田中絹代、奈良真養。

 

小津安二郎が戦前に監督した白黒サイレント映画です。原作者はエルンスト・シュワルツとクレジットされていますが、彼は架空の人物です。作り手の遊び心でしょう。

 

登場人物の対話シーンにおいて、演者一人がカメラに向かって話すカットを繋げて編集する技法を用いています。戦後の小津作品で多用されるスタイルが、本作の時点で確立されています。

 

良一(江川宇礼雄)の姉ちか子(岡田嘉子)と、良一の恋人春江(田中絹代)は、まるで良一への愛情が深いのはどちらかを競うような対立構図にあります。

 

それは松竹に移籍してきた新劇出身の岡田(当時31歳)と、松竹育ちの看板スター田中(当時24歳)の現実的な対立構図が、そのまま表れているようにも見えるのです。

 

★★☆☆☆(2022年4月15日(金)インターネット配信動画で鑑賞)

 

 

 

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