どうも。「アメリカの『臆病さ』」なんて記事を書くなら、その「臆病な」アメリカの軍隊が日本から出ていくように言ってみろよ、クソ読売が。
それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『西銀座駅前』です。
生活力ある薬剤師の妻の尻に敷かれた夫が、妻の居ない間に浮気をしようとする。1958年公開作品。監督は今村昌平で、出演は柳沢真一、堀恭子、西村晃、山岡久乃、初井言栄、小沢昭一、フランク永井。
今村昌平の監督第2作で、フランク永井の同名ヒット曲に便乗して作られた喜劇映画です。永井本人が『世にも奇妙な物語』のタモリのようなストーリーテラー的役割で出演しています。
主人公の大山重太郎(柳沢真一)に浮気を唆す遊び人獣医の浅田役を演じる西村晃の軽薄さ、重太郎の妻である理子役を演じる山岡久乃が肌を露出していることは、後年のイメージからすれば意外です。
重太郎は都会生活に倦み、戦争中に南方で現地の娘サリー(堀恭子)と恋に落ちた過去を思い出し、現実とごちゃ混ぜになる病気を抱えています。そのため、サリーに似た万年筆屋の店員ユリ(堀が二役)と浮気しようとします。
重太郎の病気は高度経済成長による都市化(その象徴が銀座)で欲望が抑圧され、その欲望の解放が戦時下や南方の大自然という混沌とした状況でしか成し得ないことを示唆しています。
今村監督は人間の欲望という深いテーマを喜劇として描き、それは監督第2作で既に確立しています。それなのに上映時間52分では物足りなく感じてしまうのです。
★★☆☆☆(2022年4月13日(水)インターネット配信動画で鑑賞)
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