どうも。現行法を守れない人間が法改正しても、改正後の法を守れるかは疑わしいです。だから現行法を守れない人間に法改正させてはいけません。
それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』です。
1968年に大学の不正運営などに異を唱えた学生が団結し、全国的な盛り上がりを見せた学生運動。中でももっとも武闘派とうたわれた東大全共闘をはじめとする1000人を超える学生が集まる討論会が、69年に行われた。文学者・三島由紀夫は警視庁の警護の申し出を断り、単身で討論会に臨み、2時間半にわたり学生たちと議論を戦わせた(映画.comより引用)。2020年公開作品。監督は豊島圭介で、出演は三島由紀夫、芥正彦、木村修、橋爪大三郎、篠原裕、宮澤章友、原昭弘、椎根和、清水寛、小川邦雄、平野啓一郎、内田樹、小熊英二、瀬戸内寂聴。
1969年の討論会を記録した貴重なフィルムがTBSに保管されており、その映像にニュース映像と関係者や識者の証言を加えて構成されています。ナレーションを務めるのは東出昌大です。
監督の豊島圭介、証言パート撮影の月永雄太、音楽の遠藤浩二はドキュメンタリー映画より劇映画で活動しています。討論会のテンションの高さ、証言者たちのキャラクターの濃さを思えば、本作は劇的なフィクションのようであり、それに適したスタッフが選ばれたのでしょう。
本作の討論会は過去に『Mishima: A Life in Four Chapters』と『11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち』で再現されています。前者では緒形拳が、後者では井浦新が三島役を演じています。それぞれの作品と本作との描かれ方を比較するのも面白いかもしれません。
実際の討論会の様子を見れば、先ず三島も含めて壇上にいる人たちが堂々と喫煙していることに驚きます。時代は変わりました。右翼の三島、左翼の東大全共闘という構図である討論会において、三島は大人というポジションで若者たちに対してマウントを取ることなく、真面目に応じています。そうした三島の人柄がよく伝わり、その真面目さが彼をあのような最期へ歩ませたのではないかと思うのです。
★★★☆☆(2022年3月29日(火)DVD鑑賞)
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