どうも。国民一人当たりで映画館に年に一度行くか行かないかで、しかも観るのが流行っている劇場用アニメという現状では、『ドライブ・マイ・カー』がアカデミー賞を受賞しても日本映画界は興行的に何も変わらないでしょう。
それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『妖婆 死棺の呪い』です。
ウクライナ地方の自然を舞台に神学生が魔女に出会ったためにたどる数奇な運命を描く(映画.comより引用)。1967年製作のソ連映画で、1985年日本公開作品。総監督はアレクサンドル・プトゥシコで、出演はレオニード・クラヴレフ、ナターリヤ・ヴァルレイ、アレクセイ・グラズィリン、ニコライ・クトゥーゾフ、ヴァジーム・ザハルチェンコ、ビョートル・ヴェスクリャロフ。
ソ連初のホラー映画です。原作のニコライ・ゴーゴリと総監督のアレクサンドル・プトゥシコがウクライナ人で、物語の舞台もウクライナなので、ウクライナ映画と言っても過言ではありません。
ホラー映画という資本主義的な娯楽は許されないので、ゴーゴリ原作の文芸映画という建前で作られたのが、如何にも社会主義国であるソ連らしいです。また神学生たちが休暇で帰郷できるので羽目を外して大騒ぎするのは、宗教に批判的な科学的社会主義に則しているようでもあります。
ホラー映画でありながら、怖がらせ方が昔のお化け屋敷レベルです。特撮も特殊メイクもチープなので怖くありません。初めてのホラー映画とは言え、如何なものかという感想です(オカルトを馬鹿にしているという意味では、それも科学的社会主義に則しています)。
ツッコミどころを見つけて楽しむというセンスがあれば良く、そうでなければ魔女が化けた若い娘役のナターリヤ・ヴァルレイの美しさしか鑑賞する価値がない作品なのです。
★☆☆☆☆(2022年3月19日(土)DVD鑑賞)
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