どうも。在日ロシア人を差別しても、ロシアのプーチン大統領は痛くも痒くもありません。これまで在日朝鮮人を差別し続けても、北朝鮮の対日政策は何も変わらなかったでしょう。独裁者は同胞のことなど全く気にしない腐れ外道ですから。差別なんて意味がないのです。
それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『新日本暴行暗黒史 復讐鬼』です。
ある山村。肺病家系と言われ村八分にされ暮らしている兄と妹。そして悲劇は起きた。縛り上げられた兄の目の前で妹が村の男たちに凌辱されてしまう。そのショックで妹は発狂し・・・・遂に怒りの塊は爆ぜた!兄は村中を惨劇の場へと落とす復讐の鬼と化すのだった(DIG LABELホームページより引用)。1969年公開のピンク映画。監督は若松孝二で、出演は吉沢健、津島明子、田口一矢、関成夫、村岡五郎、津崎公平。
日本犯罪史上に残る大量殺人事件である「津山三十人殺し」をモデルにした復讐劇です。同事件を扱った野村芳太郎監督版『八つ墓村』や『丑三つの村』より先に作られています。
復讐に燃える主人公を演じる吉沢健の鬼気迫る演技が素晴らしいです。褌一丁で日本刀片手に斬殺しまくる姿は、正に鬼です。
日本刀による村人殺害シーンが続くので、ストーリーが単調に感じられます。しかし、それは大量殺人をリアルに描いたからでしょう。如何なる大義があっても、殺人者にとっては単なる作業です。そこにロマンなどありません。
その単調で観客を退屈させないようにするため、殺害シーンの間に主人公と妹(津島明子)が村人から酷い仕打ちを受けてきた回想シーンを挿み、村人たちは殺されて当然と思わせる効果を生じさせています。脚本構成が巧みです。
村人たちは我欲を満たすため、非科学的な迷信である「血筋」を利用して兄妹を差別し、土地を取り上げ、挙句の果てに妹を輪姦します。この加害行為は、どう弁解しても正当化されず、行為者は万死に値します。その差別を黙認して傍観していた村人たちも不作為による加担であり、同罪です。だから、主人公は村人たちを皆殺しにします。
本作公開から半世紀以上経った現代日本を見てください。社会に根強い差別があり、その大人の姿を子供が真似て、学校内にいじめがあります。日本人は何も変わらず、本作の価値は失われていないのです。
★★★★☆(2022年2月23日(水)DVD鑑賞)
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