どうも。オリンピックは他国開催で良いです。自国開催だと負のレガシーが面倒ですから。時差が小さい東アジアやオーストラリアだと、なお良いですね。
それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『アッシャー家の惨劇』です。
婚約者マデリンの実家を訪ねたフィリップは、その呪われた一族の秘密を知ることになる。1960年日本公開作品。監督はロジャー・コーマンで、出演はヴィンセント・プライス、マーク・ダモン、マーナ・ファーイ、ハリー・エラービイ。
エドガー・アラン・ポーの小説『アッシャー家の崩壊』をロジャー・コーマン監督で映画化した作品です。脚本のリチャード・マシスンはSF作家としても知られています。
「B級映画の帝王」と呼ばれるコーマンが監督兼プロデューサーなので、本作はB級映画です。主な出演者は4人で、物語はアッシャー家の館の近辺(実際はスタジオ内)で展開するという低予算体制で作られています。
元はショボい映画でも、フィルムの劣化によって暗く不気味な雰囲気を生んでいます。それにより後年になってマニアから高評価されていますが、所詮はB級映画であることを忘れてはいけません。日本映画であれば、新東宝作品がマニアに高評価されているようなものです。
怪奇映画にジャンル分けされる本作でも、幽霊や怪物は現れません。超常現象に見えるものは強迫観念や幻覚に過ぎません。アッシャー家の呪いとは精神的なハウスシック症候群みたいなものです。こうしたオカルトに頼らないスタンスから、ポーは近代推理小説の開祖となるのです(推理小説のトリックはロジカルでなければなりませんから)。
★★☆☆☆(2022年2月4日(金)インターネット配信動画で鑑賞)
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