どうも。セブン&アイ・ホールディングスは、そごう西武だけでなくイトーヨーカ堂も売却すれば、セブン・ホールディングスに改名するのでしょうか。
それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『新・女囚さそり 特殊房X』です。
恋人を政界の争いの中で謀殺され、自らも暴行を受け、次第に復讐の鬼と化した娘の復讐劇(映画.comより引用)。1977年公開作品。監督は小平裕で、出演は夏樹陽子、地井武男、大野かおり、石橋雅史、織本順吉、南城竜也、舘ひろし、関山耕司、汐路章、絵沢萠子。
篠原とおる原作漫画を実写化したシリーズ第6作です。過去に梶芽衣子、多岐川裕美が演じてきた松島ナミ役は当時新人だった夏樹陽子です。本作はモデル出身の夏樹の演技力不足を補っているかのようなキャスティングになっています(これまで梶、多岐川が歌ってきた主題歌も夏樹ではなく、藤圭子が歌っています)。
松島が収監された刑務所では、新任の黒岩所長(石橋雅史)とベテランの梶木主任(地井武男)が権力争いをしています。不利になった黒岩は網走刑務所から強力な助っ人として田村(舘ひろし)を呼び、梶木を主任の地位から降ろします。本作の地井は『ちい散歩』のイメージと異なり、舘は『あぶない刑事』のイメージと異なり、怖い悪役を演じています。
梶木は松島と「手錠のままの脱獄」をすることになります。『網走番外地』以来の東映の伝統芸です。その道中で梶木は人間らしい感情を見せていきます。地井の演技力があるから、このキャラクターの変化は自然です。
他方、田村は黒いサングラスをかけ、ライフル銃を撃ちながら松島と梶木を追跡します。その姿は『ターミネーター』のアーノルド・シュワルツェネッガーに重なります。舘もシュワルツェネッガーも役者として器用ではない点で似ています。
大まかなストーリーは過去の『さそり』と同じです。しかし、松島の回想シーンがチープな演出だったり、松島と梶木の逃亡シーンが明るかったりと、特に伊藤俊也監督&梶主演の『女囚701号 さそり』にあった闇の部分が薄まっています。
一応鑑賞に堪え得る出来になっていますが、これは『さそり』ではないというのが正直な感想なのです。
★★☆☆☆(2022年1月29日(土)インターネット配信動画で鑑賞)
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