どうも。税金には災害等で国民や住民が危機に陥った場合、救済措置に充てられるという保険のような役割もあります。もし事故や病気で危機に陥った場合、「保険金は払えません。経済を回すために働いてください」という保険屋がいたら狂っています。でも政府の新型コロナ対策は、それに近いものがありますよね。
それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『ヘルボーイ』です。
地獄で生まれ、地球で育てられた悪魔の子ヘルボーイ。超常現象調査防衛局「B.P.R.D.」のエージェントとして活躍する彼に、イギリスを荒らしまわる巨人退治のミッションが下される。暗黒時代に封印されたブラッドクイーンが1500年の眠りから覚めたことを知ったヘルボーイは、霊媒能力を持つ少女アリス、ベン・ダイミョウ少佐らとともにブラッドクイーンへと近づいていく。しかし、ブラッドクイーンはヘルボーイを王として迎え入れる企てを図り、ヘルボーイは彼女の甘言と魔力によって世界を滅亡させるほどの強大なパワーを手にしてしまう(映画.comより引用)。2019年日本公開作品。監督はニール・マーシャルで、出演はデヴィッド・ハーバー、ミラ・ジョヴォヴィッチ、イアン・マクシェーン、サッシャ・レイン、ダニエル・デイ・キム、トーマス・ヘイデン・チャーチ。
マイク・ミニョーラのコミックを実写化した作品です。過去にギレルモ・デル・トロ監督で『ヘルボーイ』『ヘルボーイ ゴールデンアーミー』と二度映画化されています。
デル・トロ版でヘルボーイ役を演じたロン・パールマンはハマり過ぎたルックスで、メイクは素顔を赤く塗っただけかと思うほどでした。それに対し、本作のデヴィッド・ハーバーは特殊メイクによってヘルボーイに化けています。それを悪く言うつもりはありませんが、パールマンの逸材ぶりを再確認できました。
本作とデル・トロ版の違いはグロテスクの強調です。クリーチャーのデザインだけでなく、鮮血や内臓を見せる量については本作が勝っています。それがミニョーラの原作に忠実なのか、ニール・マーシャル監督のオリジナリティーなのか分かりません。間違いなく言えるのは、デル・トロ版より魅力が減っていることです。
日本の漫画やアニメからの影響を公言するデル・トロは、『ゲゲゲの鬼太郎』や『千と千尋の神隠し』のように、妖怪や怪物に愛嬌や人間味を与えるセンスを持っています。そのセンスによって生み出されたデル・トロ版のキャラクターは感情移入し易くて魅力的でした。それに比べると、本作のキャラクターは魅力が落ちています(妖怪や怪物は人間にとって恐怖の対象なのだから、愛嬌や人間味は要らないというのも理解できますが)。
本作は娯楽映画として一定のクオリティーを保ち、ラストシーンやエンディングロール後に続編製作への含みを持たせています。しかし、デル・トロ版より評価が低く、興行成績が良くなかったことから続編製作の可能性は低そうな気がするのです。
★★★☆☆(2022年1月27日(木)DVD鑑賞)
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