どうも。批判と非難を混同して、批判をタブー化する傾向が根強いです。論理が通っていれば批判をしてもよく、非難をしてもよいのが大人の社会です。「わるくちをいってはいけません」というガキの道徳に縛られている大人はバカで未熟です。
それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『拳銃残酷物語』です。
日本ダービーの売上金一億二千万円を強奪しようとする悪党たちを描く。1964年公開作品。監督は古川卓己で、出演は宍戸錠、松原智恵子、川地民夫、小高雄二、香川美奈子、二本柳寛、近藤宏、井上昭文。
大藪春彦の同名小説を『太陽の季節』の古川卓己監督で映画化した日活ハードボイルド・アクションです。本作公開後、大藪の小説で映画化された作品には『蘇える金狼』や『野獣死すべし』があります。
主人公の登川役を演じる宍戸錠の頬は膨らんでいます。これによって憎々しさが増し、悪人顔になります。悪人だけど主人公というのは、今流行りのダークヒーローの先駆のようでもあります。
タイトルは『武士道残酷物語』を、競馬場から大金強奪という設定は『現金に体を張れ』を元ネタにしています。悪く言えば「パクリ」であり、今ならインターネット上で叩かれるかもしれません。しかし、当時は特に叩かれたわけではないようです。
物語は悪党たちの騙し合いと殺し合いであり、登川の妹・梨枝(松原智恵子)以外は全員悪人です。単純明快な勧善懲悪になっていないのは好きですが、もっと盛り上がりがあって欲しいというのが正直な感想です。
★★☆☆☆(2022年1月12日(水)インターネット配信動画で鑑賞)
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