どうも。緊急事態宣言解除→気の緩み→新型コロナウィルス感染再拡大という一連のニュースは昨年の再放送ですか。日本人の学習能力は低下しましたね。
それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『秘密結社鷹の爪 THE MOVIE~総統は二度死ぬ~』です。
世界征服を企むベンチャー秘密結社・鷹の爪は、いつものように資金難に悩まされていた。家賃の取立てから逃れようとしたところ、誤って宇宙へと飛び出してしまった彼らは、宇宙ステーション“ピースボール”に救出されるが……(映画.comより引用)。2007年公開のアニメ作品。監督と声の出演はFROGMAN。
テレビ朝日の深夜アニメ『THE FROGMAN SHOW』の劇場版です。監督、脚本、キャラクターデザインを兼任するFROGMANがボイスチェンジャーで声色を変えて、ほとんどのキャラクターを演じています。
セル画を描く一般的なアニメ制作手法ではなく、フラッシュアニメという手法を用いて、意図的にチープ感を出しています。CGを駆使して実物と区別がつかないビジュアルを競う映画界の大勢に逆らうことによって、むしろ目立つポジションを得ています。
本作では画面右側に映画予算ゲージが表示され、3DCGなど金のかかる演出を用いると大幅に減少するという仕掛けがあります。ゲージが残り少なくなると効果音や背景がショボくなり、画面に企業広告を載せればゲージが回復します。このような悪ふざけ精神が全編に溢れています。
悪の秘密結社である鷹の爪が貧しくても健気に活動しているのに対し、正義の味方であるデラックスヒーローが金持ちセレブのクズという倒錯した設定が好きです。くぼたまこと原作の『天体戦士サンレッド』でも悪の秘密結社フロシャイムが家庭的な小市民で、正義の味方サンレッドが粗暴なチンピラという設定であり、それも好きです。マーヴェルもDCも、そこまで振り切ったダークヒーローの設定はできないでしょう。せいぜい『デッドプール』止まりです。
劇中のギャグには社会風刺も下ネタもあります。社会風刺だから高尚で、下ネタだから低俗という権威主義の匂いがするステレオタイプ的な区別をしていません。これはギャグ至上主義と言うべき素晴らしい姿勢なのです(因みにFROGMANという名前の由来はスネークマンショーです)。
★★★☆☆(2021年12月20日(月)インターネット配信動画で鑑賞)
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