どうも。国会議員定数削減を正義だと思っている人は、多様な民意の反映を妨げる民主主義の敵=ファシストであることに無自覚です。
それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』です。
悪のカリスマ=ジョーカーと別れ、すべての束縛から解放されて覚醒したハーレイ・クイン。モラルのない天真爛漫な暴れっぷりで街中の悪党たちの恨みを買う彼女は、謎のダイヤを盗んだ少女カサンドラをめぐって、残忍でサイコな敵ブラックマスクと対立。その容赦のない戦いに向け、ハーレイはクセ者だらけの新たな最凶チームを結成する(映画.comより引用)。2020年日本公開作品。監督はキャシー・ヤンで、出演はマーゴット・ロビー、メアリー・エリザベス・ウィンステッド、ジャーニー・スモレット=ベル、ロージー・ペレス、エラ・ジェイ・バスコ、クリス・メッシーナ、ユアン・マクレガー。
DCコミック実写化作品である『スーサイド・スクワッド』の続編であり、その一キャラクターであるハーレイ・クイン(マーゴット・ロビー)を主人公とするスピンオフ作品です。
監督がキャシー・ヤン、脚本がクリスティーナ・ホドソン、プロデューサー兼主演女優がロビーというスタッフは、「女性の自立」というテーマを描くのは女性が適役という考え方に基づくものでしょう。2017年から始まったMeToo運動の影響も否定できませんが。
またヤン監督が中華系、ブラックキャナリー役のジャーニー・スモレット=ベルが黒人系、レニー・モントーヤ役のロージー・ペレスがヒスパニック系というスタッフとキャストには、現実社会における人種や民族の多様性が反映されています。その上、レニーに元彼女(アリ・ウォン)がいるという設定には、LGBTという性の多様性も反映されています。本作は今日的な映画です。
ハーレイ、ハントレス(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)、ブラックキャナリー、レニーの4人が結束して立ち向かう、敵役のブラックマスク役を演じるのはユアン・マクレガーです。大人げないブラックマスクは、50歳近いのに貫禄がないマクレガーに合ったキャラクターです。
ハーレイが登場するシーンは明るくてカラフルです。それに対し、ブラックマスクが登場するシーンは暗くて非カラフルです。本作は視覚においても男女の対立を明確にしています。
総じて本作は「女性の女性による女性のための映画」を志向しているようです。ただし、それを志向すると男女の地位を逆転させただけの単純な構造に陥ってしまう虞があります。従来の男性中心映画にない何かを模索し、それをメジャー映画で表現するのは、まだ始まったばかりなのです。
★★★☆☆(2021年12月1日(水)DVD鑑賞)
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