【映画評】亜人 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

どうも。松本穂香は竹内結子のクローン人間説。

 

それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『亜人』です。

 

2017年、東京。研修医の永井圭は、交通事故で死亡した直後に生き返ったのをきっかけに、絶対に死なない新人類「亜人」であることが発覚する。亜人研究施設に監禁されて非人道的な実験のモルモットにされた圭は、同じく亜人の男・佐藤によって救われるが、佐藤は国家転覆を狙い大量虐殺を繰り返すテロリストだった。同じ亜人として佐藤の思想に共感できない圭は、亜人と人類の壮絶な戦いに身を投じていく(映画.comより引用)。2017年公開作品。監督は本広克行で、出演は佐藤健、玉山鉄二、城田優、千葉雄大、川栄李奈、山田裕貴、浜辺美波、品川祐、吉行和子、綾野剛。

 

桜井画門の漫画を原作にした実写化作品です。監督は『踊る大捜査線』シリーズの本広克行です。本広監督は数々のアニメ映画で総監督を務めるほどアニメに造詣が深いので、漫画実写化作品に向いているのかもしれません。

 

新人類である亜人と人類の対立は、ミュータントと人類の対立を描く『X-MEN』シリーズを思わせます。また亜人同士が自分の分身を闘わせるのは『ジョジョの奇妙な冒険』の幽波紋(スタンド)を思わせます。それでも安易なパクリではなく、設定やビジュアルに一工夫加えてオリジナリティーを出そうとする姿勢はありです。

 

劇中に9・11アメリカ同時多発テロをイメージさせるシーンがあるので、亜人と人類の対立は中東イスラムとアメリカの対立の隠喩であるかのようです。しかし、本作は政治的メッセージを前面に押し出していません。あくまでも匂わせる程度です。政治性があると思われる描写が深みのない、単なる情報として処理された『シン・ゴジラ』に近いものがあります。

 

そうした知的なものを本作に期待してはいけません。本作の見所は派手でハードなアクションです。しかもアクションシーン直前のBGMでカウントダウンが入り、亜人が死んでから復活するのを「リセット」を呼ぶことから、ゲーム感覚が強いアクションです。そのアクションを可能にするため、『るろうに剣心』シリーズの佐藤健を主役にキャスティングしたのでしょう。

 

テーマやストーリーに深く立ち入らず、漫画やアニメでは表現できないアクションに特化することによって、本作は実写化作品として一応成功しています。おそらく漫画やアニメを愛する作り手側が、いわゆる「原作レイプ」にならない方法を模索した結果なのでしょう。

 

★★★☆☆(2021年9月21日(火)DVD鑑賞)

 

 

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