どうも。子供たちに夢と希望を与えるため、東京五輪を強行開催すれば、新型コロナウィルス感染拡大で悪夢と絶望を食らわす結果になるかもしれません。
それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『男はつらいよ 葛飾立志篇』です。
教養を身につけようと心機一転して学問を始めた寅さんを描く(映画.comより引用)。1975年公開作品。監督は山田洋次で、出演は渥美清、倍賞千恵子、樫山文枝、下條正巳、三崎千恵子、太宰久雄、佐藤蛾次郎、前田吟、桜田淳子、笠智衆、米倉斉加年、大滝秀治、小林桂樹。
「男はつらいよ」シリーズ第16作です。マドンナの筧礼子役が樫山文枝で、巡査役の米倉斉加年、住職役の大滝秀治という顔ぶれは劇団民藝カラー強めです。
寅さん(渥美清)の隠し子に誤解されてしまう山形の女子高生、最上順子役は桜田淳子です。秋田県出身の桜田なのに、山形県人の役なのですね。因みに、さくら役の倍賞千恵子の父親も秋田県出身です。
オープニングの寅さんの夢は西部劇です。大して本筋に関係ない部分でもセットを組み、しっかりと演出しているのは、当時の日本映画の豊かさを感じさせます。
考古学を研究する礼子の恩師である田所博士役を小林桂樹が演じています。喜劇もこなせる小林と渥美の演技対決という見方もできます。
本作でも寅さんはマドンナの礼子にフラれます。しかし、フラれ方に一工夫あります。「男はつらいよ」シリーズをマンネリだと批判する人たちは、よく観ていないのではないでしょうか。
本作の軸は寅さんと礼子と田所博士の三角関係です。その関係の果てに、学問の本質である「己を知ること」は個々の人生を通してやることであり、そこにテキ屋も大学教授もないと分かるのです。
★★★☆☆(2021年5月29日(土)DVD鑑賞)
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