【映画評】悪い男 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

どうも。風邪気味なので熱を測ったら36.0度でした。熱血おじさんだと思っていたら、冷血おじさんだと分かってショックです。

 

それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『悪い男』です。

 

昼下がりの繁華街をうろつく寡黙なヤクザのハンギは、ベンチに座ってボーイフレンドを待っていた清楚な女子大生ソナに一目ぼれする。ソナから侮蔑的な視線を向けられたハンギは、強引に彼女の唇を奪う。ハンギはソナに罠を仕掛けて借金を負わせ、自分が仕切る売春宿に彼女を売り飛ばす。娼婦へと変わっていくソナの姿を、マジックミラー越しに見守る日々を送るハンギだったが……(映画.comより引用)。2001年製作の韓国映画で2004年日本公開作品。監督はキム・ギドクで、出演はチョ・ジェヒョン、ソ・ウォン、チェ・ドンムン、キム・ユンテ、キム・ジョンヨン、イ・ハヌィ。

 

昨年末に新型コロナウィルス感染症で亡くなった、キム・ギドク監督がエロと暴力で描いたラブストーリーです。

 

ヤクザのハンギ(チョ・ジェヒョン)は、ほとんど喋りません。やっと喋っても、その声に「え?」と思わざるを得ません。初めから喉に見える傷跡が過去に何かあったのだと匂わせています。その設定でも存在感を示すジェヒョンの演技は大したものです。

 

主要な登場人物がヤクザと売春婦なので、善人がいない映画です。ハンギの罠によって売春婦にされた被害者である、ソナ(ソ・ウォン)でさえも純粋無垢な存在にしていません。

 

ハンギが手の込んだやり方でソナを売春婦にしたのは、自分の物にするためです。それでいてハンギはソナと肉体関係を結ぼうとしません(出会った直後、強引に唇を奪っておきながら)。それ故、本作は純愛物と宣伝されていましたが、決して美談ではありません

 

ハンギとソナの行く末は、愛を必要としないヤクザであることを貫きたいハンギが、それでもソナを愛するために選んだ自分勝手な道です。自己中心的にソナの人生を狂わせた悪い男ハンギは、フィクションだと分かっていても非難に値する存在です。

 

確かにハンギは悪い男ですが、ハンギとソナのような関係を長年続け、連れ添っている夫婦の事例は現実にあり得ます。どれほど非難に値しても、道徳や倫理に反しながら愛し合う不思議な人間関係のあり方として本作は遺す意味があるのです。

 

★★★★☆(2021年4月27日(火)DVD鑑賞)

 

 

 

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