どうも。「まだ帰らないのか。あいつにはハンバーガーでも食わせておけば十分だ」と思い切りナメられているのに、上っ面だけの外交成果が欲しくてたまらない無能なガースー(しかも、それに騙されて内閣支持率をアップさせるであろうバカな日本国民)。
それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『マンディンゴ』です。
19世紀半ば、ルイジアナ州。マクスウェルは自身が所有する広大な農園で、黒人奴隷を育てて売買する奴隷牧場を経営していた。息子ハモンドは父の言葉に従って名家の娘ブランチと結婚するが、彼女が処女でなかったことに憤り、黒人女性エレンとの情事に溺れていく。一方、ブランチも屈強な奴隷ミードと関係を結んで妊娠。横暴な権力者として振る舞ってきた一家は、破滅の道へと突き進んでいく(映画.comより引用)。1975年日本公開作品。監督はリチャード・フライシャーで、出演はジェームズ・メイソン、スーザン・ジョージ、ペリー・キング、リチャード・ウォード、リリアン・ヘイマン、ブレンダ・サイクス、ケン・ノートン。
公開当時は大ヒットしたにもかかわらず、「最悪の映画」として長らく封印された作品です。アメリカ白人にとっては、本当のことを描かれて図星だったからでしょう。クエンティン・タランティーノが『ジャンゴ 繋がれざる者』で元ネタの一つにしたことによって再評価され、今年リバイバル公開されました。
奴隷牧場経営者のマクスウェル(ジェームズ・メイソン)は黒人を人間扱いしません。自分に従順な黒人の意見にだけ耳を貸します。そのマクスウェルは「黒人の腹に素足をのせれば、リウマチが移って治る」という非科学的な迷信的療法を実践しています。差別者は人間の器が小さく、頭が悪いクズというのは古今東西変わらないようです。
マクスウェルの息子ハモンド(ペリー・キング)は黒人娘のエレン(ブレンダ・サイクス)を溺愛します。それに嫉妬したハモンドの妻ブランチ(スーザン・ジョージ)は、屈強な黒人男ミード(ケン・ノートン)と情事を重ねます。かなりドロドロした人間関係です。ここまで関係がこじれたのは、強権的な父親と脚に障害があることに対するコンプレックスを有するハモンドが、新婚初夜にブランチが処女でないことにショックを受けたことに発端があるような気がします。
このこじれた関係の末、マクスウェルの一族は破滅へと向かいます。『風と共に去りぬ』が描かなかったアメリカの黒歴史です(上掲DVDジャケットのデザインは公開当時のポスターであり、同作のパロディーになっています)。これが過去の終わった話でないことは、近年のBLM(Black Lives Matter)運動の盛り上がりで明らかです。
日本人のほとんどは黒人差別の歴史について無知で鈍感なので、本作も昔の他人事のように捉えるでしょう。しかし、現代日本においても外国人技能実習制度の下、多くのアジア系外国人が低賃金で長時間酷使され、差別的言動やパワハラまで浴びせられる事例が少なくありません。果たして本作を昔の他人事で片付けていいのでしょうか。
大事なことだから、もう一度言います。差別者は人間の器が小さく、頭が悪いクズです。
★★★★★(2021年3月27日(土)DVD鑑賞)
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