どうも。日米首脳会談での中国非難は、中国から見れば陰でコソコソと悪口を言われるようなものだから、不快感を示すでしょう。ましてや面と向かって文句を言ってくるアメリカと違い、面と向かって日中友好、そっぽを向いて嫌中という二枚舌の日本にはムカつくでしょうね。
それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『湯の町夜曲 月の出の接吻』です。
悲しく作曲家との恋を失った女が、再び伊豆の湯の町でめぐりあう(DVDジャケットより引用)。1950年公開作品。監督は中川信夫で、出演は近江俊郎、花井蘭子、堀越節子、鳥羽陽之助、草香蘭子。
1949年に発売された近江俊郎の『湯の町夜曲』を主題歌とする歌謡映画です。同曲は1948年にヒットした『湯の町エレジー』に続く「湯の町」シリーズです。『湯の町エレジー』を主題歌とする歌謡映画『湯の町悲歌』も作られています。こうした歌謡映画は、今ならばミュージックビデオみたいなものでしょうか。
作曲家役を演じる近江は二枚目的な演技を見せます。後年に『オールスター家族対抗歌合戦』審査員で見せた、おとぼけキャラとは異なります。本作において近江は一歌手として出演しているに過ぎず、配給元である新東宝との関わりは薄いです。しかし、後に実兄である大蔵貢(ソープランドの生みの親)が新東宝社長になると、制作や経営にまで関わるという運命を辿ります。
本作を監督した中川信夫は『東海道四谷怪談』や『地獄』によって怪談映画の名手と評価されています。ところが中川が監督した全97作品中、怪談映画に分類されるのは8作品しかありません。怪談映画に限らず、本作のような歌謡映画も撮れる器用な職人監督だったのでしょう。
中川監督は本作も手堅い演出のラブストーリーに仕上げています。しかし、その手堅さ故に物足りなさがあり、結局、古賀政男作曲の主題歌が漂わせる哀愁が映画に勝ってしまうのです。
★★☆☆☆(2021年3月25日(木)DVD鑑賞)
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