【映画評】マー サイコパスの狂気の地下室 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

どうも。「生徒が楽しみにしているから、超大型台風が接近しても運動会は開催します!」と言う校長がいたら、頭がイカレたバカです。アスリートをダシに使って、コロナ感染爆発しても東京五輪を開催しようとする組織委員会とマスコミも同レベルのバカです。

 

それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『マー サイコパスの狂気の地下室』です。

 

オハイオ州のとある街で孤独な生活を送る女性スー・アン。ある日彼女は、街で出会った地元の女子高生から、未成年である自分の代わりに酒を買ってきて欲しいと頼まれる。その出来事をきっかけに、スー・アンは自宅の地下室を高校生たちのパーティの場として提供するように。楽しい時間を過ごす高校生たちだったが、スー・アンの態度は次第に変わりはじめ……(映画.comより引用)。2019年製作のアメリカ映画で日本劇場未公開作品。監督はテイト・テイラーで、出演はオクタヴィア・スペンサー、ジュリエット・ルイス、ダイアナ・シルヴァース、コーリー・フォーゲルマニス、ルーク・エヴァンス。

 

孤独な中年女性スー・アン(オクタヴィア・スペンサー)は、徐々に秘めた狂気を露わにしていきます。『ミザリー』でキャシー・ベイツが演じたアニーに近いキャラクターです。スペンサーもベイツもルックスを売りにしていないタイプなので、こうした役を演じさせると、日常的なリアリティーがあります。

 

女子高生マギー(ダイアナ・シルヴァース)の母親エリカ役が、ジュリエット・ルイスであることに時の流れを感じます。『ナチュラル・ボーン・キラーズ』などで活躍した若い頃が懐かしいです(ちなみにブラッド・ピットの元彼女)。

 

スー・アンの狂気を生み出した原因は、高校時代に受けた屈辱的な体験です。まだ他人の心の痛みを理解できない未熟者たちの悪ふざけは、心に深い傷を残します。

 

そしてスー・アンが生まれ育った田舎町に住み続け、都会へと出て行かなかったことが、その心の傷を癒すことなく、ずっと残し続けました。マギーを通じてエリカと会い、更に高校時代の同級生たちと再会することによって、スー・アンの狂気に火が点いたのです。

 

本作がアメリカの田舎町を舞台にしているから、日本には無関係だと思ってはいけません。学校内のイジメやスクールカーストの問題、地方都市の閉鎖性や内向性の問題は、日本にもありますから。スー・アンのような狂気を秘めた存在は、意外と近くにいるかもしれません。

 

★★★☆☆(2021年3月20日(土)DVD鑑賞)

 

 

 

 

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