どうも。東京五輪パラリンピックが中止になれば、いち早く不参加表明した北朝鮮は「賢明な判断をして迅速に実行した勇気ある国」と国際的に評価されるでしょう。そうはさせまいと日本が強行開催にこだわれば、泥沼にはまって国際的評価が下がりまくるでしょう。
それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『東京エマニエル夫人』です。
フランス人と結婚し、フランス在住の今日子は日本に帰国後、様々な性体験を通じて性の奥義を極めようとする。1975年公開の日活ロマンポルノ作品。監督は加藤彰で、出演は田口久美、村上不二夫、葵三津子、冬木なか、曽我部なみお、織田俊彦。
当時ヒットしたフランス映画『エマニエル夫人』に日活が便乗した企画です。東映も同作に便乗して、五月みどり主演で企画していました。しかし、先に公開された本作が「エマニエル夫人」を名乗ったので、後発の東映は「かまきり夫人」を名乗らざるを得ませんでした(『五月みどりのかまきり夫人の告白』)。
主演の田口久美は、日米ハーフなので外国人っぽく見えるという理由で抜擢されたのでしょう。本作の続編『東京エマニエル夫人 個人教授』、東映配給の『東京ディープスロート夫人』と洋物ポルノの便乗企画にも出演していますから。
しかし、田口は芝居上手ではなく、それほど魅力的には見えません。ハーフタレントが供給過剰気味な現代と異なり、まだハーフが珍しかった時代ゆえのキャスティングです。
舞台が見慣れた日本ということもあり、本家『エマニエル夫人』より安っぽく見えます。また路上の女性がアメリカンドッグを舐め回すのを見て今日子が興奮するシーン、裸の今日子が海岸で乗馬するシーン、今日子が屈強なラガーマンたちと泥まみれで乱交するシーンは真剣に演じていても、笑いを取りに行っているとしか思えません。これらは大きなマイナスです。
これならば“エマニエル夫人になれなかった女”五月の方が得していると思ってしまうほどの本作なのです。
★☆☆☆☆(2021年3月19日(金)インターネット配信動画で鑑賞)
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