田中邦衛さん死去 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

テレビドラマ「北の国から」の父親役などで人気を集めた俳優の田中邦衛(たなか・くにえ)さんが3月24日午前11時24分、老衰のため死去した。88歳。岐阜県出身。葬儀は家族で行った。生家で陶芸に携わり、中学の臨時教員を務めた後、1955年に3度目の受験で俳優座養成所に合格。58年に舞台「幽霊はここにいる」に出演した。映画は「純愛物語」で初出演後、61年からの「若大将」シリーズで主役の加山雄三さんと張り合う青大将役で評判に。「網走番外地」や「仁義なき戦い」シリーズや、黒沢明監督「椿三十郎」などに出演。あくの強い風貌やコミカルな演技で憎めない脇役を好演した(共同通信より引用)。

 

田中さんの遺作は2010年公開の『最後の忠臣蔵』であり、『北の国から』シリーズを演出した杉田成道の監督作です。同シリーズで主演した田中さんにとっては、友情出演的な意味合いがあったのでしょう。

 

『北の国から』シリーズを断片的にしか観たことがない私は、それよりも東映ヤクザ映画に出演している田中さんの印象が強いです。『網走番外地』シリーズも好きですが、『仁義なき戦い』シリーズで演じた槙原政吉役が好きです。山守の親っさん(金子信雄)の威を借り、他の幹部たちには強気に出るが、実はヘタレの小物というキャラクターです。『仁義なき戦い 代理戦争』で殴り込みの指揮官役を任され、威勢良く「出発!」と号令をかけたものの広能昌三(菅原文太)らに梯子を外され、狼狽するシーンは名場面です。

 

深作欣二監督作品において、『仁義なき戦い』シリーズの槙原役、『仁義の墓場』のシャブ中ヤクザ役、『県警対組織暴力』のおかまヤクザ役など、田中さんはコミカルかつクセのある役を演じています。田中さんは緊張感ある修羅場において人間らしい滑稽さを見せるという難役をこなしていたのです。「若大将」シリーズの青大将役からずっと田中さんはコメディアンだったと思います。

 

『北の国から』以後の田中さんは深みのある俳優として評価されてきました。それはコメディアンとしての経験値があったからこそ、逆に笑いを抑えるコントロールもできたからです。森繁久彌、いかりや長介が老いてから深みのある俳優になったのと同じです。田中さんも更なる深みを出せたような気がします。

 

田中さんのご冥福をお祈りします。

 

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