【映画評】オペラは踊る | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

どうも。新しい話題(NTT高額接待)が出れば、直ぐに前の話題(菅義偉首相の長男である菅正剛の贈賄容疑)を忘れてしまう日本人は、ボールが転がってきたら、ディフェンダーも含む選手全員がワーッとたかってくる下手糞なサッカーチームみたいです。

 

それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『オペラは踊る』です。

 

富豪の未亡人を騙した詐欺師がイタリアのオペラ団をアメリカ興行に連れて行く。しかし、船中にいた3人の密航者が騒動を起こす。1936年日本公開作品。監督はサム・ウッドで、出演はグルーチョ・マルクス、チコ・マルクス、ハーポ・マルクス、キティ・カーライル、アラン・ジョーンズ。

 

マルクス兄弟が主演するコメディ映画です。『我輩はカモである』ではマルクス四兄弟でしたが、本作からゼッポ・マルクスが抜けて、マルクス三兄弟になりました。眼鏡とヒゲがグルーチョ、帽子がチコ、まったく喋らないのがハーポです。

 

チャールズ・チャップリンと同世代のコメディアンでありながら、マルクス兄弟はトーキー誕生まで映画出演を待っていました。それはグルーチョの話芸を売りにしていたからです(ハーポの無言ボケはサイレント的ですが)。

 

薄毛で眼鏡のお喋りというグルーチョのキャラクターは、ウディ・アレンと共通しています。二人ともニューヨーク出身のユダヤ人であり、そこにシンパシーを感じたアレンが真似たのかもしれません。

 

『我輩はカモである』の興行的失敗によりパラマウント社を追われ、MGM社に移籍しての第1作が本作です。『我輩はカモである』での無節操なギャグ連発と政治風刺を失敗の原因とし、オペラ団のソプラノ歌手ローザ(キティ・カーライル)と恋人のテノール歌手リカルド(アラン・ジョーンズ)のロマンスを軸にして、ギャグを抑えめにしたことで本作はヒットしました。

 

ライブで放送禁止級の過激な笑いを追求していたトガリ芸人が、テレビに出てからライトな大衆向けの笑いに方向転換するのは珍しいことではありません。マルクス兄弟ですら方向転換したのですから、日本のお笑い芸人が方向転換しても非難されることではないのです。

 

★★☆☆☆(2021年2月24日(水)DVD鑑賞)

 

 

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