【映画評】マーターズ(2015年版) | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

どうも。記事やプロフィールで「波動」とか使っているスピリチュアル商売人には、フォロー返ししない方針の当ブログです。

 

それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『マーターズ』です。

 

人里離れた倉庫に監禁され、長期間にわたって拷問や虐待を受けた10歳の少女リュシー。命からがら逃げ出したものの心身ともに深い傷を負った彼女は、孤児院で恐ろしい幻覚に苦しみ続ける。そんな彼女にとって、同年齢の少女アンナだけが唯一の心の支えだった。それから10年が経ったある日、かつて自分を監禁した一家を発見したリュシーは、復讐を果たすべく立ち上がるが……(映画.comより引用)。2016年日本公開作品。監督はケヴィン&マイケル・ゴーツで、出演はトローヤン・ベリサリオ、ベイリー・ノーブル、ケイト・バートン、ブレイク・ロビンス。

 

2007年に製作されたフランス・カナダ合作ホラー映画『マーターズ』をハリウッドリメイクした作品です。オリジナル版はハードな残虐描写で話題になったそうです。おそらくハリウッドリメイク版は多少ソフトな残虐描写になっているでしょう。レイティングに引っかかると、商売が上手く行きませんから。

 

孤児院で監禁を原因とするPTSDに悩まされるリュシーにとって、親友アンナとの交流が唯一の癒しでした。この流れは、ほっこりする良い話です。

 

それから10年後、成長したリュシー(トローヤン・ベリサリオ)は自分を監禁した者たちに復讐します。平凡で善人らしい家族全員をショットガンで皆殺しにします。そこに電話で呼ばれたアンナ(ベイリー・ノーブル)は、気が狂ったリュシーが人違いでやらかしたものと疑います。観ている人もアンナと同じ疑念を抱きます。

 

疑いながらもリュシーの犯行隠蔽を手伝っていたアンナは、地下の監禁施設を発見します。リュシーは気が狂ったのではなく、人違いもしていなかったのです。真実を知ったアンナは警察に通報しますが、警察ではない集団にリュシーと共に捕らえられてしまいます。

 

その集団は頭がおかしいカルト教団です。監禁した女性に極限の苦痛を与えることによって、「あの世」を見る特殊能力を覚醒させることを目的とします。タイトルのマーターズは殉教者を意味し、リュシーもその一人なのです。このカルト教団は異常です。しかし、それならば日本スポーツ界のスパルタ的指導者も異常です。選手の心身を痛めつければ強くなると思っている非科学的な根性論バカですから。

 

特殊能力の素質が無いと判断されたアンナは、リュシーが殺した家族の死体と一緒に生き埋めにされます。しかし、機転を利かせて脱出したアンナは、カルト教団の連中に容赦なく逆襲します。アンナはわきまえない女です。

 

リュシーの救出に向かったアンナでしたが、背中の生皮を剝がされる責苦を受けたリュシーは、覚醒しながら絶命しました。死の間際にリュシーから小声で何かを聞かされたアンナが、リュシーが見た「あの世」を共有して物語は終わります。

 

このラストは、「あの世」を見る特殊能力が苦痛ではなく、愛によっても覚醒することを意味しているのでしょうか。リュシーとアンナの関係をキリストとその弟子の関係に重ねているようにも解釈できます。これについてはラストを比較するため、いつかオリジナル版も観なければならないと思うのです。

 

★★★☆☆(2021年2月16日(火)インターネット配信動画で鑑賞)

 

 

にほんブログ村 映画評論・レビューに参加しています(よろしければクリックを!)