【映画評】クローバーフィールド・パラドックス | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

どうも。音声記録があるにもかかわらず「(話した)記憶がない」と言う官僚は、著しい記憶力低下で公務に支障を来すので、クビにするのが国益に適います。

 

それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『クローバーフィールド・パラドックス』です。

 

エネルギー資源の枯渇が深刻化した近未来。各国の科学者たちが国際宇宙ステーションに集い、エネルギー危機を解決する新技術の実験に取り組んでいた。しかし、実験中のある事故により次元のずれが生じ、不可解な現象が次々と発生。科学者たちは異次元の恐ろしい現実を目の当たりにする(映画.comより引用)。2018年Netflix公開作品。監督はジュリアス・オナーで、出演はダニエル・ブリュール、エリザベス・デビッキ、アクセル・ヘニー、ググ・バサ=ロー、クリス・オダウド、ジョン・オーティス、デヴィッド・オイェロウォ、チャン・ツィイー。

 

本作は劇場公開ではなく、Netflix配信という形式で公開されました。これから、同じ形式で公開される映画が増えるのでしょう。

 

クローバーフィールド HAKAISHA』と『10 クローバーフィールド・レーン』に続く、J・J・エイブラムス製作の「クローバーフィールド」シリーズ第3作です。各作品に直接的な繋がりはなく、あるとしたら時系列等の整合性が失われます。これらは、ある世界観を同じくした異なる世界の物語群だと理解します。

 

地球のエネルギー問題を解決するため、世界各国から優秀な科学者たちが集められたという設定です。確かに人種や民族が異なるキャスティングになっており、黄色人種=アジア代表は中国系のタム博士(チャン・ツィイー)です。ここで日本人科学者が選ばれなかったという事実を重く受け止めたいです(単に本作の製作に中国系企業が関わっているからだろうと推測できます。しかし、それは国際社会における日本の経済的地位の凋落を突きつけられることになります)。

 

本作は近未来という時代設定で、宇宙ステーション内の機器に3Dプリンターがあるなど最新の科学を取り入れています。それ故、2008年製作の『クローバーフィールド HAKAISHA』と同時代の物語にならず、異なる世界の物語となるのです。

 

宇宙での科学実験により次元にズレが生じ、不可解な現象が発生することでパニックになるというストーリーは、1997年製作の『イベント・ホライゾン』に似ています。もしかしたら、エイブラムスは最新の国際情勢やVFX技術を取り入れた「俺ならこう作る『イベント・ホライゾン』」(「僕の考えた『イベント・ホライゾン』」でも可)として、本作をプロデュースしたのかもしれません。

 

本作は『イベント・ホライゾン』よりオカルト的ではなく、論理的なSF(サイエンス・フィクション)の範疇に収めようとしています。それでもガチガチの理詰めではありません。むしろ非合理的な人間的感情、特に科学者エヴァ(ググ・バサ=ロー)の家族愛が事態を転々とさせるドラマなのです。

 

★★★☆☆(2021年2月5日(金)DVD鑑賞)

 

 

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