どうも。失言した政治家が「解釈の仕方」の問題と言い訳するのは、「俺は間違ったことを言ってないけど、お前ら国民がバカだから理解できないでキャンキャン騒いでいるだけだ」という意味です。反省も謝意もありません(これは森喜朗に限らず、「誤解を招くような発言だった」と言い訳する政治家も同じです)。
それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『絶叫学級』です。
中高一貫教育の私立女子校に通う加奈は、親友の絵莉花から「旧校舎に出没する黄泉という女の子の幽霊に願いごとをすると、大切なものを失う代わりに願いがかなう」という都市伝説を聞く。そんなある日、軽い気持ちで引き受けた読者モデルとしての写真が雑誌に載り、一躍話題になった加奈は、美人で学校の人気者リオに目をつけられてしまう。その状況から抜け出すため、加奈は旧校舎に立ち入り黄泉に願いごとをしてしまうが……(映画.comより引用)。2013年公開作品。監督は佐藤徹也で、出演は川口春奈、広瀬アリス、松岡茉優、栗原類、小山莉奈、池田エライザ、松本花奈、波瑠、山本美月。
いしかわえみ原作のホラー漫画を実写化した作品です。8年前の作品で、川口春奈、広瀬アリス、松岡茉優、波瑠、山本美月という、今では売れっ子の若手女優が共演しています。
キャラ変していく加奈役の川口、性悪なお嬢様リオ役の広瀬の演技は勿論のこと、地味な文化系眼鏡女子から徐々に心の闇を見せていく松岡の演技は特に注目するに値します。
女子校内の陰湿ないじめシーンが、たくさんあります。そこに優雅なクラシック音楽や、ノリの良いJ-POP的楽曲をBGMとして被せるのは、ギャップで残酷さを強調する効果を生んでいます。佐藤徹也監督はミュージックビデオの仕事が多いので、音楽の使い方を分かっているようです。
いじめシーンのうち、加奈のクラスメイトで、いじめの標的になった桐谷(松本花奈)がドロドロの液体を全身にかけられるシーンは、明らかに『キャリー』を意識しています。女子学生+いじめ+ホラー=『キャリー』という式はテッパンです。
本作には幽霊の黄泉(山本美月)が登場するので、ホラー映画にジャンル分けされます。しかし、話のほとんどがいじめ絡みで、黄泉が幽霊になったのも、美術教師の保坂(波瑠)が学生時代に遭ったいじめが原因です。
それ故、本作はホラー映画というより「イジメ、ダメ、ゼッタイ」(©BABYMETAL)な映画であり、幽霊より生きている人間の方が残酷で怖い存在だという印象が残るのです。
★★★☆☆(2021年2月3日(水)インターネット配信動画で鑑賞)
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