どうも。どうせ中止になるオリンピックなのだから、前途ある若い人ではなく、先が短い老人に組織委員会の会長を務めてもらいましょう。これからがある人の経歴に傷をつけるのは良くないです。
それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『ボヘミアン・ラプソディ』です。
世界的人気ロックバンド「クイーン」のボーカルで、1991年に45歳の若さでこの世を去ったフレディ・マーキュリーを描いた伝記ドラマ(映画.comより引用)。2018年日本公開作品。監督はブライアン・シンガーで、出演はラミ・マレック、ルーシー・ボーイントン、グウィルム・リー、ベン・ハーディ、ジョセフ・マッゼロ、エイダン・ギレン、トム・ホランダー、マイク・マイヤーズ。
クイーンのメンバーであるブライアン・メイとロジャー・テイラーが音楽総指揮を務め、音楽プロデューサー役で出演までしているので、クイーン公認の伝記映画です。それ故、作品全般にクイーンの楽曲が使用され、音楽映画としてのクオリティーが高いです。
作品の企画から完成まで数々のトラブルがあったそうです。最たるものは、ブライアン・シンガー監督の途中降板です。降板後はデクスター・フレッチャー監督が残りの撮影と編集をして完成させました。監督が交代すると、作品の統一感が失われ、出来が悪くなることがあります。しかし、本作は使用楽曲が力強く、かつフレディ・マーキュリーの人生がドラマティックなことから、その勢いで良作となり得ています。
フレディ(ラミ・マレック)はインド系移民、両性愛者、HIV感染者とマイノリティーの孤独に陥ってしまう人生でした。その孤独から救済し、他者との繋がりを与えてくれたのが音楽です。クイーンのメンバーと喧嘩になっても、音楽の話になれば、直ぐに仲直りするほどです。
終盤の「ライブ・エイド」再現シーンでは、クイーンのパフォーマンスによって来場客だけでなく、世界中の人々が一体となったことが表現されています。それは音楽によって生まれた、地球上の差別や貧困が解決するかもしれないと思わせる奇跡の一瞬です。
不思議の島国ニッポンでは、ミュージシャンが政治的な発言や行動をすれば、「音楽に政治を持ち込むな」という声が上がります。音楽を馬鹿にした戯言です。本物の音楽は政治を凌駕し、政治で救済できない者を救済できる素晴らしいものですから。
★★★★☆(2021年1月28日(木)DVD鑑賞)
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