【映画評】黄門と弥次喜多 からす組異変 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

どうも。今寒くて大雪が降っているから「地球温暖化は嘘だ」と言っている人は、たった半年前の猛暑を忘れたのでしょうか。その程度の記憶力しか無ければ、お気楽に生きていけるでしょうね。

 

それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『黄門と弥次喜多 からす組異変』です。

 

借金から逃れて旅に出ている弥次さんと喜多さんは、不幸な身の上の娘おみちを助けるため、同じ宿の老人に力を借りることにする。1951年公開作品。監督は並木鏡太郎で、出演は古川緑波、木戸新太郎、横山エンタツ、沢村国太郎、尾上菊太郎、市川春代、星美千子。

 

新東宝配給のコメディ時代劇です。古川緑波、木戸新太郎、横山エンタツなど当時の喜劇俳優が出演しています。木戸はオープニングタイトルで「キドシン」と表記されており、榎本健一が「エノケン」と称されたように、カタカナ四文字の愛称は芸能界の伝統なのでしょうか(木村拓哉=キムタクは喜劇俳優ではありませんが)。

 

水戸黄門と弥次さん喜多さんが共演するので、本作は時代劇ヒーローのコラボ作品です。アメコミにおける『アベンジャーズ』や『ジャスティス・リーグ』の先取りと言っても過言ではない気がします。

 

軽演劇をベースにする出演者の持ち味を活かせるように、舞台的構図のカットが多めです。それでいて、出演者が変顔をするカットはアップで撮り、早送りとスローモーションをネタに使うなど映画ならではの遊びも取り入れています。

 

娯楽性を重視するので、時代考証はいい加減です。眉間に皴を寄せて堅苦しく観るのではなく、肩の力を抜いて緩い気持ちで観るのが、本作の正しい鑑賞法です。

 

私が一番面白いと思ったのは、黄門(古川)が印籠を出さずに正体を明かすことです。水戸黄門に印籠は付き物という固定観念に縛られていると、意表を突かれます。それでも全体的には、笑いのセンスに時代的なズレがあることを否めないのです。

 

★★☆☆☆(2021年1月18日(月)DVD鑑賞)

 

 

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