【映画評】海外特派員 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

どうも。かつて沖縄県知事選で玉城デニー候補者に関するデマを流布した、公明党の遠山清彦議員が緊急事態宣言下での夜間銀座クラブ訪問と政治資金のキャバクラ支出で叩かれています。創価学会に「因果応報」という教えはあるのですか?

 

それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『海外特派員』です。

 

ドイツの台頭で戦争の危機が迫っていた1939年、ニューヨークの新聞記者ジョニーは欧州へ派遣される。戦争回避のキーマンである大物政治家を追いやってきたアムステルダムで、暗殺現場に遭遇。犯人を追跡し、意外な事実を突き止めたことから彼自身も命を狙われるようになる(映画.comより引用)。1940年製作のアメリカ映画で、1976年日本公開作品。監督はアルフレッド・ヒッチコックで、出演はジョエル・マクリー、ラレイン・デイ、ジョージ・サンダース、ハーバート・マーシャル、アルバート・バッサーマン。

 

アルフレッド・ヒッチコックが渡米後、『レベッカ』に次いで監督したスパイ・サスペンス映画です。本作と『レベッカ』が高く評価されたことによって、ヒッチコックはアメリカに腰を据えて創作活動を続けていきました(本作の主な舞台はヨーロッパですが)。

 

国際的陰謀に関する秘密を知った新聞記者ジョニー(ジョエル・マクリー)が組織に追われるという物語の型は、サスペンス映画の定番です。本作における秘密が他の作品で高価な宝石や重要書類に置き換えられ、こうした技法をヒッチコックは「マクガフィン」と呼びました。狙われる対象に重要な意味がなくてもよく、主人公が何者かに追われるという状況があれば、サスペンスは成立します。

 

要人を殺害した犯人を追いかけるカーチェイス、犯人が逃げ込んだ風車内部への潜入シーンは緊張感あるものになっています。それに対し、ジョニーが探偵ロウリー(エドモンド・グウェン)に殺されそうになるシークエンスは、ロウリーが間抜けなのでコメディ・パートになっています。この緩急の付け方は、スティーヴン・スピルバーグのアクション映画(「インディ・ジョーンズ」シリーズなど)に継承されています。

 

本作の時代設定は第二次世界大戦直前の1939年であり、老政治家ヴァン・メア(アルバート・バッサーマン)が戦争を始めようとするドイツを批判するシーンがあります。本作が公開された1940年には、ドイツのアドルフ・ヒトラーを痛烈に批判した『チャップリンの独裁者』も公開されました。ヒッチコックとチャップリンは同じ時代を生きていたのです。

 

その時代でも、ヒッチコックは政治に強い興味を持っていなかったでしょう。ヒッチコックにとって大事だったのは、あくまでも面白い映画を作ることのはずですから。

 

★★★☆☆(2021年1月16日(土)DVD鑑賞)

 

 

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