【映画評】猛吹雪の死闘 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

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このブログは、田舎で暮らすおっさんの独り言を日々書き綴っています。ブログタイトルの「じゃんご」とは秋田弁で「田舎」のことで、偶然にもマカロニウエスタンの主人公の名前でもあります。何となく付けてみました。お時間があれば、広い心で御覧になってください。

どうも。BSグリーンチャンネル中央競馬中継の梅澤真理子キャスターの隣にいる、小堺翔太キャスター(小堺一機の長男)に羨望と嫉妬を覚えるおっさんです(完全なとばっちり)。

 

それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『猛吹雪の死闘』です。

 

雪崩事故で婚約者を失ったスキーヤーが、婚約者にそっくりな女と三人の男たちに雪山の道案内を頼まれる。しかし、その三人は逃亡中の宝石強盗団だった。1959年公開作品。監督は石井輝男で、出演は宇津井健、三原葉子、星輝美、菅原文太、大友純、宗方祐二。

 

石井輝男が新東宝在籍時に監督した雪上アクション映画です。新東宝生え抜きの宇津井健、三原葉子、菅原文太が共演しています。後にヤクザ映画でブレイクしたので、東映出身と思われがちな菅原は、実は新東宝デビューです。

 

主人公であるスキーヤー粕谷五郎役の宇津井は、イメージどおりに真面目な正義漢を演じています。三原は粕谷の婚約者である大塚千代子と、強盗団の逃亡に巻き込まれる双見昭子の二役を演じます(千代子は登場して直ぐに亡くなるので、実質的には一役です)。当時、肉感女優として売り出されていた三原は、本作でもむっちりボディーをチラ見せします。熟女感を出している三原ですが、当時まだ二十代半ばです。菅原は強盗団の一人である菅野欣也役を演じます。菅野は喜怒哀楽全てを見せる悪役で、真面目一辺倒の宇津井より良い役を当てたような気がします。

 

撮影は実際に山形県の雪山で行われたようです。石井監督が本作で雪中撮影を経験したことは、東映移籍後の『網走番外地』で活かされたでしょう(偶然にも強盗団の三人は網走刑務所の服役囚だったという設定です)。

 

男三人が強盗団だと知った粕谷は、スキー板や伝書鳩を使って麓に救援を求めます。しかし、ことごとく失敗して窮地に追い込まれます。短い尺の映画にアイデアを詰め込むのも、そのアイデアを失敗させて絶望感を煽るのも、石井作品全てに通じる観客へのサービス精神の表れです。

 

娯楽作品なので、特にメッセージ性はありません。強いて言えば、終盤の展開から「雪山をナメた奴は死ぬ」という大事な教訓を得ることはできそうです。

 

★★★☆☆(2021年1月12日(火)DVD鑑賞)

 

 

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