どうも。政府は「勝負の3週間」が失敗しても、それを国民の努力不足だと責任転嫁するでしょう。そして、マゾ奴隷体質の国民がそれに反論することなく、ただ服従して自分を責めるのでしょう。
それはさておき、映画の感想文を書きます。今回は『ギャング対Gメン 集団金庫破り』です。
親友の警官を殺された男が、命を奪った金庫破り集団に復讐するため、仲間になりすまして潜入する犯罪映画。1963年公開作品。監督は石井輝男で、出演は鶴田浩二、佐久間良子、江原真二郎、曾根晴美、十朱久雄、小川守、田中春男、加藤嘉、杉浦直樹、梅宮辰夫、丹波哲郎。
東映では、京都太秦で時代劇や任侠物を作り、東京大泉で現代劇やギャング物を作っていた時代がありました。本作は東映東京作品であり、BGMにジャズが流れるモダンな作りになっています(音楽は八木正生)。
ギャング物は海外のギャング映画を模倣しているので、日本人が口にしたら恥ずかしい、キザな台詞があります。しかし、鶴田浩二、杉浦直樹、丹波哲郎はサラッと使いこなしています(丹波は如何なる台詞にも不思議な説得力を持たせられます)。
大金を盗む犯罪集団というプロットは『オーシャンズ11』や『ルパン三世』で、犯罪集団に潜入するプロットは『インファナル・アフェア』や『ディパーテッド』でも用いられたベタなものです。それを石井輝男監督はテンポ良く展開させ、上映時間を90分以内にまとめています。
本作では金庫破り計画の説明に尺を長く使っています。石井監督は、『直撃地獄拳 大逆転』でも宝石奪取計画について長々と説明していたので、こだわりの演出なのかもしれません。
本作で特筆すべきは、ベテラン刑事役に加藤嘉を、金庫破りの首謀者役に十朱久雄を配したことです。どちらも台詞が多い重要な役であり、脇役が多い二人に光を当て、実力を見せてくれるのです。
★★★☆☆(2020年12月4日(金)インターネット配信動画で鑑賞)
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